AcuSolveによる配管内の流れ(液-液混合)

AcuSolveによる配管内の流れ(液-液混合)

1. モデルの説明

アルテアエンジニアリング株式会社HyperWorksの汎用熱流体解析ソルバーAcuSolveを利用して、配管内の2液混合の解析を行いました。

図1にモデル概要を示します。タンクには液体供給用と流出用の2本の配管が接続されています。供給口1から液体Aを、供給口2から液体Bを指定した温度で注入します。

計算は2ケース実施し、液体Bの粘度と密度を変更した場合、2本の配管から各液体が流出する様子や壁面の温度分布を比較調査しました。なお、計算は20秒間の非定常解析としました。
 

 

2. 計算条件

図2に境界条件を、表1に物性値を示します。

 

 

 

 

 

3. 計算結果

図3に代表時刻における流速を示します。

 

・ 液体AとBの密度が異なるケース1では、下段パイプの流速が速くなる傾向が見られました
・ 液体AとBの密度が等しいケース2では、上段と下段のパイプの流速に差は見られませんでした
 
 
図4に壁面の温度分布を示します。

 

 

 

ケース1

 

 

 
 
 
ケース2

図4. 壁面の温度分布[℃]

 

・ ケース1では、時間経過とともに上段のパイプの温度が特に上昇しました
・ ケース2では、上段下段のパイプ温度の上昇に大きな差は見られませんでした

 

図5に3次元的な液体Aの広がりを示します。

 

 

 

ケース1

 

 

 

ケース2

図5. 液体Aの広がり(液体Aの濃度の等値面)

 

・ ケース1の液体Aは、主に下段パイプから排出される傾向が見られました
・ ケース2の液体Aの排出では、上段と下段パイプに大きな差は見られませんでした

 

図6に各流出口から流出した液体Aの濃度を示します。

 

 

・ 図4で示した等値面の結果の通り、液体Aはケース1では主に下段流出口から排出される傾向が見られました
・ ケース2では、液体Aの排出に上段と下段に大きな差は見られませんでした
 
 

4. まとめ

AcuSolveでは物性の異なる液体の混合・排出状況を可視化することができます。

2種類以上の液体を同時に扱うことも可能です。今回のケースでは液体AとBの熱関連の物性を同じとして計算しましたが、変更することも可能です。このため、温度分布を含め、複数種類の配管の設計において、適切な混合状況や流出・流入口の検討にご活用いただけます。

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