CAEメールニュース(No.2011-11) 

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┃CAEメールニュース(No.2011-11)                   2011.11.22┃
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Terrabyte Co.,Ltd.
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【1】今月のトピック
╋テラバイトの最適化ソリューション紹介
【2】CAE技術情報
╋プラスチック成形とCAE-その9.粘度計(1)
╋解析事例更新情報
・技術情報「FLOW-3D 攪拌プロセスへの適用」
・構造解析事例「LS-DYNA 樹脂用材料構成則MAT_SAMP-1事例」
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ 採用情報———————————————————————

□ CAE解析技術者募集中 !
詳細はホームページから→ http://www.terrabyte.co.jp/company/recruit.htm

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└■ テラバイトの最適化ソリューション——————————————–

「ある強度が必要とされている場合に肉厚を何mmにすればいいか?」「軽量化にはどのよ
うな形状が良いか?」設計の現場ではこのような問題がよく生じます。
通常のCAEでは入力パラメータ(例えば肉厚)をユーザーが適当に振ってその都度計算を
行い、出てきた結果(例えば強度)を比べて最適なパラメータを求めます。それに対して
最適化ツールを用いると、そのパラメータスタディを自動化出来、最適化アルゴリズムに
より、より少ない解析回数でよりよいパラメータの同定が可能です。

当社では様々な最適化ソフトウェアを販売・サポートしております。また、それらを紹介
する最適化セミナーを開催しております。
さらに最適化アルゴリズムを用いたソフトウェア開発も手掛けており、お客様のニーズに
合わせて、幅広いソリューションを提供できます。

□最適化ソフトウェア————————————————————–

・HyperStudy 最適化・DOE・ロバスト設計
さまざまな市販外部ソルバーを用いて、寸法最適化、実験計画法による多因子解析、ロバ
スト性評価などが行えます。
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperStudy_1.htm

・OptiStruct 構造最適設計ソフトウェア
構造解析ソルバーを内蔵し、トポグラフィー最適化、トポロジー最適化などの高度な形状
最適化が可能です。
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/OptiStruct.htm

□最適化セミナー——————————————————————-

・定期的に無償の最適化セミナーを開催しております。
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm

□最適化ソフトウェア開発———————————————————–

・遺伝的アルゴリズムなどの各種手法を用いて、数値データの最適化システムを開発可能です。
http://www.terrabyte.co.jp/service/develop.htm

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└■ CAE技術情報 「プラスチック成形とCAE-その9.粘度計(1)」——————

プラスチックの状態は液体と固体があります。レオロジー特性の測定装置も液体用と固
体用、どちらも取り扱えるタイプがあります。まず、ここでは、液体を対象とした測定法
について解説したいと思います。
液体の場合のもっとも重要なレオロジー特性は粘度になります。粘度測定の代表的な装
置は「キャピラリー押出粘度計」です。これはリザーバーという樹脂投入部の先に細いノ
ズルが取り付けられており、リザーバー内の樹脂をプランジャで押し、ノズルから樹脂を
流出させます。このときにプランジャ位置の時間変化を測定します。この勾配から流量が
求められ、プランジャ荷重、リザーバーとノズル諸元が分かっていますので、円管内の等
温、定常、層流の運動方程式の解であるハーゲン・ポワズイユ(Hagen-Poiseuille)の式を
用いれば未知数は粘度だけになります。すなわち、粘度が逆算できます。ただし、直接求
められるのはニュートン流体と仮定したときの見かけの粘度になります。この装置は取り
扱いが簡単でプランジャ荷重やノズル形状を変えれば広範囲のせん断速度が得られますの
で大変便利な装置ですが、真のレオロジー特性を求めるためには以下の手続きが必用とな
ります。
まず、高分子溶融体は弾性の性質も持っていますので、試料がリザーバからノズルに流
入する際に駆動圧力の一部は試料の粘弾性的抵抗に逆らってノズル内で実現する速度分布
をとるための加速段階の仕事に費やされます。この付加圧損はノズルの実長が長くなった
ために起きたとみなすことができます。ノズルの長さLと半径Rの組み合わせとプランジャ
圧力を変えた実験で横軸をL/R、縦軸を圧力とし、得られたせん断速度ごとにデータをプ
ロットすると圧力軸の切片で各せん断速度における上記付加圧損の値がでてきます。この
データを延長し、L/R軸と交わる点でのマイナス側のL/Rの値が管長補正係数と呼ばれます。
これを用いて管長を修正(付加圧損をキャンセル)してノズル壁での真のせん断応力を求め
ます。このせん断応力と流量の関係から構造粘度指数nを計算し、nと流量を用いて管壁に
おける真のせん断速度を求めます。この手順で粘度に関する構成方程式に到達します。
この一連の作業はBagleyという方が考えた手法で、図上で管長補正係数を求める方法は
「Bagley’s Plot」と呼ばれます。これにより、弾性的性質による付加圧損の除去と
ニュートン流体からの速度分布のずれを考慮した真の粘度が求められます。
(参考文献:佐伯準一他2,”低圧トランスファー成形用エポキシ樹脂の流動解析”,高分子論
文集,43,873(1986))
今回はやや難しくなりましたが、今後の測定の留意事項として頂ければ幸いです。
次回はもう一つの代表的な粘度測定法である「回転粘度計」の説明を行いたいと思います。

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└■ 解析事例更新情報————————————————————-

●技術情報
「FLOW-3D 攪拌プロセスへの適用」公開
・攪拌槽内の流動形態のシミュレーション
・攪拌ボールによる揺動攪拌シミュレーション
・攪拌における気体混入の制御
・攪拌制御例(1):2軸攪拌制御・攪拌効率の導入による完全攪拌時間の予測
・攪拌制御例(2):多自由度攪拌制御
・自転・公転攪拌
http://www.terrabyte.co.jp/example/technical-info.htm#2

●構造解析事例
「LS-DYNA 樹脂用材料構成則MAT_SAMP-1事例」追加
・圧縮特性
・破壊の応力状態依存性
http://www.terrabyte.co.jp/example/analysis_sample-str.htm#m1

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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-

当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」(11/24 東京)
「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(12/16 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (12/22 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm

□ 「基礎構造講座」
・「構造力学の基礎」(11/29・30 東京)
・「振動工学の基礎」(12/20・21 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (12/2 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/6 東京)
※Jvision/LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□ 電磁界解析ソフト「IES 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/7 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/8 東京)
※LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

□ 鋳造/湯流れ凝固解析ソフト「FLOW-3D CAST」紹介セミナー (12/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3DCast/flow3dCast-seminar1.htm

□ 熱硬化性樹脂流動解析ソフト「NEPTAS」紹介セミナー (12/13 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/NEPTAS/semi.htm

□ SolidWorks完全統合版プラスチック射出成形シミュレーション
「SimpoeWorks」操作セミナー (12/14 東京)
※SimpoeWorksユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Simpoe/SimpoeW_seminar1.htm

□ ハイエンド自由表面解析ソフトウェア「FLOW-3D」紹介セミナー (12/15 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3D/flow3d-seminar1.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (12/15 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

□ プラスチック射出成形シミュレーション「Simpoe-Mold」操作セミナー
(12/20・21 東京)
※Simpoe-Moldユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Simpoe/Simpoe_seminar1.htm

□ LS-DYNA用プリポスト「eta/VPG」紹介セミナー&体験解析ワークショップ
(2012/1/11 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/VPG/VPG-seminar1.htm

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└■ エッセイ「SSD」————————————————————–

先日、調子の悪かった自宅のデスクトップPCをソリッドステートドライブ(SSD)化しま
した。SSDは不揮発性メモリの一種で、ハードディスクドライブ(HDD)と同じインター
フェース(SATAなど)を備えているため、HDDの代替品として利用出来ます。可動部品が
ないため、HDDと比べて、ランダムアクセスが速い、衝撃に強い、省電力などメリットが
多いのですが、価格が高い事と、物理的に書き込みの寿命制限がある事がデメリットです。
容量あたりの価格はHDDの数十倍と高価なものなので随分と迷いましたが、タイの水害に
よってHDDが急激に値上がっている事と、使ってみたいという物欲を抑えきれず、家人に
内緒でこっそりと組み込みました。結果として不良セクターが増えてきたHDDと比べると
確かに快適になりました。快適さにはすぐに慣れてしまうところが人間の怖さなのかもし
れないですが…(期待が膨らみすぎていたとも言えますが…)
思えば6~7年前、PDA(既に死語ですね)用に買った256MBのメモリースティックは、ちょ
うど今の128GBのSSDくらいの価格でした。世の中どんどん便利になるものです。また次の
10年後どういう便利さを享受できるのか、楽しみではあります。
K.Murayama
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└■ 購読者アンケート ————————————————————

購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
ぜひご協力ください。

http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_anq.htm

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
早いものでもう年末の足音が聞こえてきています。セミナーの日程は来年分を受け付ける時
期に…年末ではありますが、新しいセミナーの開催も増えておりますので、今年度中のご参
加もお待ちしております。
E.Ikeda
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☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
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