CAEメールニュース(No.2017-5)   

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┃CAEメールニュース(No.2017-5)                    2017.5.22┃
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Terrabyte Co.,Ltd.

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【1】今月のトピック
╋テラバイト技術通信 1「OpenFOAMの粘性モデル」
╋テラバイト技術通信 2「筋骨格モデルへの動作入力」
【2】CAE技術情報
╋CAEソフトウェアを使いこなそう 第5回 最適化計算の構築
~ディスク共有リモートジョブ(3) ~
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ テラバイト技術通信 1「OpenFOAMの粘性モデル」——————————–

流体の中でも水や空気などは、粘性をμとすると、せん断応力τが速度勾配du/dyに比例
するため次の式(1)が成り立ちます。
τ=μdu/dy ・・・(1)
式(1)が成り立つ流体をニュートン流体と呼びます。しかし、血液、粘土、生クリーム等
では式(1)で示している比例関係が成り立たちません。このような流体を非ニュートン流
体と呼び、別の式で扱う必要があります。例えば、血液は速度勾配が大きくなるほど粘性
が小さくなります。

OpenFOAMには複数の非ニュートン流体用の粘性モデルが用意されています。そのため、そ
れぞれの粘性モデルに応じたパラメータを入力するだけで比較的簡単に解析可能です。
以下にOpenFOAMに用意されている粘性モデルの例を示します。
・べき乗則モデル
・Bird-Carreauモデル
・Herschel-Bulkleyモデル

また、OpenFOAMはソースコードがすべて公開されているため、既存の粘性モデルでは表現
できない物性を定義したい場合でもカスタマイズして新しい粘性モデルを作成することが
可能です。以下に弊社で作成した実績のある粘性モデルの例を示します。
・時間と粘性のテーブルデータを読み込み、各時刻でテーブルデータの値を線形補間して
粘性を算出する
・各時刻で流速等の他の物理量を変数とする計算式から粘性を算出する

当社ではこれらの粘性モデルの作成を含むOpenFOAMの多数のカスタマイズ実績があります
ので、ご興味がございましたらご連絡ください。

当社へのお問合せ—–>http://www.terrabyte.co.jp/contact/contact.htm

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└■ テラバイト技術通信 2「筋骨格モデルへの動作入力」—————————-

AnyBody Modeling Systemは、人間の筋骨格をモデリングした人体モデルを用いて、人間
の動作における、筋肉に発生する力(筋力)や関節にかかる力(関節反力)の推定を行うソ
フトです。
動作から筋力や関節反力を計算する逆動力学という手法によって解析が行われるため、最
初に人体モデルの動きを決める必要があります。
動きを決める方法は、直接、関節の角度を設定する方法と計測データを使用する方法の2
つです。
人体モデルの関節に対して、角度変化や角度の時刻歴を設定することで、自由に動作を作
成することができます。これによって、動作の違いによる筋力や関節反力の変化を簡単に
比較することができます。しかし、複数の関節が働く複雑な動作は角度の設定が難しく、
個人の動作を正確に再現するのは困難です。
複雑な動作や個人の動作の再現には、モーションキャプチャを用いて得られる計測データ
を使用します。人体にマーカーを貼付し、動作を測定することで、マーカーの座標の時刻
歴を取得します。AnyBodyの人体モデルの各部位にもマーカーを作成し、作成したマーカー
の座標がモーションキャプチャで取得したマーカーの時刻歴と同じになるように各関節を
動かすことで、測定した動作を正確に再現し、解析を行うことができます。ただし、動作
の変更はできず、精度や計測できる状況は機器の性能や計測方法に左右されます。

当社では高精度なマーカーの計測から、解析までを実施するサービスをご提供しています。
http://www.terrabyte.co.jp/service/motioncapture.htm

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└■ CAEソフトウェアを使いこなそう 第5回 最適化計算の構築
~ディスク共有リモートジョブ(3) ~

前回では、ローカルのWindowsマシン上でバッチファイルを実行し、バッチファイルの
最後にsshコマンドでリモートLinuxマシン上にシェルスクリプトjob_lnx.shのジョブを投
入していました。その最後の行を変数を展開してもう一度書くと次のようになります
(説明のために引数を前回と少し変えてあります)。

c:\cygwin64\bin\ssh.exe machine1 -l user1 cd /disk1/work ; ^
job_lnx.sh job_name /disk1/work /folder/subfolder/1.1 input.dat queue1 1 8
10

この行の動作は、Windows上でのUnix環境構築ソフトCygwinに内蔵されているsshコマンド
を使用し、ユーザー名user1でリモートマシンmachine1にログインして、ワークディレク
トリー/disk1/workに入り、そこでシェルスクリプトjob_lnx.shを実行します。ここから
先はLinuxマシン上での動作となります。job_lnx.shの中身は以下のように記述されてい
ます(行頭の数字は説明用の行番号で、実際のファイルにはありません)。

01 #!/bin/bash
02 JOBNAME=$1
03 LINUXDIR=$2
04 WINPATH=$3
05 INPUT=$4
06 QUEUE=$5
07 NODE=$6
08 PPN=$7
09 CHECK_INTERVAL=$8
10 TMPDIR=`echo $WINPATH | sed -e ‘s|[^/]*$|!&|’`
11 SUBDIR=${TMPDIR##*!}
12 CDIR=$LINUXDIR/$SUBDIR
13 cat > dynago_$JOBNAME.sh << EOF
14 #!/bin/bash
15 #PBS -N $JOBNAME
16 #PBS -o xexec.log
17 #PBS -e xexec.err
18 #PBS -q $QUEUE
19 #PBS -l nodes=$NODE:ppn=$PPN
20 cd \$PBS_O_WORKDIR
21 NPROCS=\`wc -l < \$PBS_NODEFILE\`
22 PROG=ls-dyna.exe
23 mpirun -np \$NPROCS \$PROG i=$INPUT
24 EOF
25 chmod 755 dynago_$JOBNAME.sh
26 mv dynago_$JOBNAME.sh $CDIR/.
27 cd $CDIR
28 qsub dynago_$JOBNAME.sh > qsubout.txt 2>&1
29 JOBID=`cat qsubout.txt`
30 REPEAT=1
31 ETIME=0
32 while [ $REPEAT -eq 1 ] ; do
33 FOUND=`qstat | grep $JOBID`
34 if [ -n “$FOUND” ] ; then
35 echo “The job $JOBID($JOBNAME) is running. $ETIME seconds
elapsed”
36 TEST=`sleep $CHECK_INTERVAL`
37 ETIME=$(($ETIME+$CHECK_INTERVAL))
38 else
39 echo “The job $JOBID($JOBNAME) has completed”
40 REPEAT=0
41 fi
42 fi
43 done
44 exit 0

ずいぶん複雑に見えますね。しかし心配ありません。次回以降このシェルスクリプト
の動作について詳しく解説します。
(S.T.)

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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-

当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。

□ 第28回 設計・製造ソリューション展 出展
会期:6月21日(水)~23日(金)
会場:東京ビックサイト
テラバイト出展ブース:東2ホール 38-30
http://www.terrabyte.co.jp/17_DMS/

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(6/15 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (6/6 東京)
※当社のLS-DYNA/JVISION保守ユーザ様限定のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (6/7 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (6/8 東京)
※当社のLS-DYNA保守ユーザ様限定のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (6/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (6/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm

□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (6/16 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (6/27 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ 「基礎構造講座」-衝撃工学の基礎-(7/12・13 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 基礎トレーニングセミナー
(7/26 東京) ※Anybodyの学生ユーザ様限定のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semiN.htm

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└■ エッセイ「継続は力なり」—————————————————–

突然ですが、私はデビュー当時からある歌手の大ファンです。その方は、歌手にとどまら
ず、同時に連続主演記録でギネスに掲載される女優さんでもあります。
先日、私はそんな彼女の歌手活動 25年という節目のライブに参加して参りました。
偶然か情熱か執着か…。前から2列目センターネ申席を確保し、25年の歴史を振り返りな
がらSHOUT OUT! 長年ファンを続けていると、込み上げる感情も一入です。そして今、
我ながら薄気味悪いと感じつつ敢えて申し上げます。彼女は間違いなく私を知っています。
まさに継続の賜物です。
「ある歌手」がどなたかは、もうお気づきと思いますが、これからも応援しつづけますの
で、同じくファンだ!という方がおられましたらぜひともご一報お待ちしております。

T.Kadoguchi
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└■ 購読者アンケート ————————————————————

購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
ぜひご協力ください。

http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
東京ビックサイトで6月21日から開催されます設計製造ソリューション展に今年も出展いた
します。会場にお越しの際はぜひ当社ブースまでお立ち寄りください。
E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆中国国内におけるCAE業務案内◆

弊社では、中国国内でのCAE業務のお手伝いをいたしております。
HyperWorks、FloEFD、BLOWVIEW/FORMVIEW、DYNAFORM、Presys、ACS SASSIなどの販売
及び受託解析を行っております。中国国内に関わらず、日本国内との連携含めてお役
に立てることが御座いましたらご連絡ください。
中国国内では日本語、中国語にてサポートさせていただきます。

詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/company/shanghai.htm
テラバイト(上海)ホームページ
http://www.terrabyte.cn

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