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┃CAEメールニュース(No.2017-11)                  2017.11.20┃
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                                Terrabyte Co.,Ltd. 
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 【1】今月のトピック
   ╋テラバイト技術通信 1「筋骨格モデルの必要性」
   ╋テラバイト技術通信 2「OpenFOAMの剛体運動機能の紹介」
 【2】CAE技術情報 
    ╋CAEソフトウェアを使いこなそう 第11回 最適化計算の構築
                       ~ディスク非共有リモートジョブ(2)~
 【3】CAEセミナー・イベント情報
 【4】エッセイ
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└■ テラバイト技術通信 1「筋骨格モデルの必要性」--------------------------------
    
  人体をモデル化するに当たり、筋肉の無い、単なる骨格だけの棒人形モデルと、筋肉の
 ついた筋骨格モデルの違いを考えてみます。

  歩く、座る、立つ、など様々な身体活動の土台となっているのは文字通り「骨組み」とな
 る全身の骨と、骨同士をつなぎ合わせている関節です。目に見える身体活動のほとんどは、
 「関節まわりの骨の回転運動」で実現されます。その回転運動を実現しているのが、
 約400種類有るといわれる骨格筋です。これらの筋肉は収縮することで[筋張力]を発揮
 しますが、押す、あるいは回転する筋肉というのは存在しません。筋の収縮運動のみが関
 節周りの運動に変換されて人体動作を実現しています。そしてそれには相当な筋発揮力と、
 負担する関節間の反力が必要です。 
 例えば、体重60kgの人が、かがんだ(ちょうど背筋力測定のような)体勢で、30kgの荷物
 を保持する場合を考えます。
 腰椎から荷物までの水平距離を約40cmとし、かつ、上半身自重[体重の半分:30kg]は、腰
 椎から20cmの位置に来るとすると、荷物と上半身自重による腰椎回りの発生トルクは、
 30*9.8[N]×0.4[m]  +  30*9.8[N]×0.2[m]  =  176.4[Nm]となります。
 このトルクを腰周りの筋肉の収縮力で実現することになりますが、トルク発揮のために筋
 は、腰に巻きついて上半身+荷物を引っ張り上げなければなりません。このとき腰骨の中
 心からの巻きつき距離=モーメントアーム長が、せいぜい体の厚みの半分程度…仮に6cmく
 らいとすれば、176.4[Nm]/0.06[m] =2940N もの筋張力が発揮されることになります。
 この力は同時に、腰椎間を圧縮する力として働き、上半身自重+荷物=60kg[588N]と合わ
 せると3528N…実に体重の6倍もの力が腰椎間に掛かることになります。
 この値がどれだけの負担か、といいますと、アメリカのNIOSH(労働安全衛生総合研究所)
 では、繰り返しの労働作業などで損傷なしに腰椎が耐えられる力は約3400Nと定めていま
 すので、筋を考慮した場合、手計算程度でも相当な負担であることが分かります。
 仮に筋無しの計算では、上半身の自重+荷物=60kg分の反力…という結果ですので、誤った
 判断の元となってしまいます。
 
  このように筋の巻きつき(走行方向の変化)が起きている部位は、体中いたる所にあり、
 かつ、3次元的に複雑な構成となっていますので、関節負荷などの人体内部力を正しく見
 積もるには、骨格サイズのみならず筋の付着位置や関節中心位置などの力学的構成がしっ
 かりしたAnybodyのような筋骨格モデルが必要です。
 
 ―> http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_1.htm
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└■ テラバイト技術通信 2「OpenFOAMの剛体運動機能の紹介」------------------------

  OpenFOAMはオープンソースのCFDソフトですが、市販ソフトに引けを取らない、様々な機
 能が備わっています。
 参考:http://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/openfoam_1.htm
 (ページの下部、「機能」参照)
 その中の1つ、剛体運動を再現できる移動メッシュ機能について、紹介します。

 OpenFOAMの移動メッシュ機能では、次のようなことを解析できます。
 1.強制運動
  スロッシング、プロペラの回転、ピストンによる流体の押し出しなど、速度や角速度が
  既知の運動をユーザーが規定します。剛体の6自由度(並進3成分、回転3成分)すべての
  成分を指定した運動の通りに強制的に動かします。これによって、剛体が移動すること
  で変動する流れ場を計算できます。
 2.連成運動
  海洋上の船や、はんだ付けの際に溶融はんだに浮かぶ小さい電子部品など、剛体が流体
  から受ける流体力(浮力、抗力など)を考慮し、剛体の運動を計算します。2次元解析
  を行う場合は、運動を平面上のみに制限できるオプションもあります。また、仮想的な
  バネやダンパーを設定して、並進と回転を制御することも可能です。船をロープで固定
  していて、一定距離以上動かないようにしたい場合などに使えます。ご興味ございまし
  たら、”sixDoFRigidBodyMotion”で調べてみて下さい。

 標準の機能では再現できないことも、カスタマイズで追加できるのが、OpenFOAMの特徴で
 す。例えば、2.の連成運動とDEMを組み合わせ、浮体の係留をより正確に表現するカスタ
 マイズを行いました。粒子を複数個連ねることで、浮体をつなぎとめるロープを模擬する
 機能を追加したため、バネと違ってロープがのびきるまでは浮体に力が働きません。
 適切なソフトが見つからないような解析テーマをお持ちでしたら、是非ご相談ください。

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└■ CAEソフトウェアを使いこなそう 第11回 最適化計算の構築
                       ~ディスク非共有リモートジョブ(2)~

  前回の続きからになります。Windowsマシン上で計算に必要なファイルをinput.tarとい
 うファイルにまとめたあと、以下の13行目(行番号は前回からの続きになっています)で
 ファイルを圧縮し、14行目でLinuxマシンに転送します。なおバッチファイル中の変数
 (%XXX%)の中身は3月号と同じです。15,16行目でLinuxマシンに転送したファイルを解凍
 し、実行用シェルスクリプトに実行権限を与えます。17~19行目でLinuxマシン上でソル
 バーのジョブを実行します。実行用シェルスクリプトの動作はディスク共有の場合と同じ
 ですが、startコマンドに/waitオプションを付けることで、Linux上でジョブが終了する
 まで、Windows側では制御が戻される(ジョブが終わる)のを待ち続けます。
 /waitオプションがないとWindowsマシンはLinux側でジョブが終わったかどうかがわから
 ないので、ジョブが終わる前に20行目以降のコマンドを勝手に実行してしまいます。

 013    gzip input.tar
 014    scp input.tar.gz %USER%@%HOST%:%REMOTE_DIR%/%JOBNAME%/.
 015    ssh cd %REMOTE_DIR%/%JOBNAME% ; gzip -d input.tar.gz ; ^
 016           tar xf input.tar 2> nul 1> nul ; chmod 755 job_lnx.sh
 017   start /wait ssh cd %REMOTE_DIR%/%JOBNAME% ; ^
 018                       .job_lnx.sh %JOBNAME% %INPUT% %QUEUE% %NODE% %PPN%
 ^
 019                                   %CHECK_INTERVAL% %DESIGN_NUM%
 020    scp %USER%@%HOST%:%REMOTE_DIR%/%JOBNAME%/output.tar.gz .
 021    gzip -d output.tar.gz
 022    tar xf output.tar 2> nul 1> nul
 023    del input.tar.gz output.tar
 024    ssh rm -rf %REMOTE_DIR%/%JOBNAME%
 025    exit /b 0

 ジョブが終了すると20行目が実行され、結果ファイルがLinuxマシンからWindowsマシンに
 転送されます。ここでoutput.tar.gzはジョブが終わった後で、結果の処理に必要な出力
 ファイルをすべてまとめたファイルになります。例えばソルバーがLS-DYNAの場合、実行
 用シェルスクリプトに以下のような行を追加することで出力ファイルをひとつのファイル
 output.tarにまとめて圧縮します。ここで”> /dev/null 2>&1”はtarコマンドの余分な
 メッセージ出力を表示させないためのおまじないです。

 tar cf output.tar d3hsp mes0* d3plot* binout* d3msg \
      abstat avslt bndout defgeo dcfail deforc elout gceout \
      glstat h3out jntforc matsum movie mpgs ncforc nodfor  \
       nodout rbdout rcforc rwforc sbtout secforc sleout     \
       spcforc sphout ssstat swforc tprint trhist > /dev/null 2>&1 gzip output.tar

 21,22行目はWindowsマシンに転送されたファイルを解凍し、23,24行目で不要になった
 一時ファイルと計算に使ったリモートのディレクトリーを消去しています。25行目でexit
 コマンドによりバッチファイルが終了し、制御が最適化ソフトに戻されます。ここで/bオ
 プションをつけないと親プロセスが停止し、最適化ソフトによる最適化計算そのものが途
 中でストップしてしまうので気をつけてください。これでディスク非共有のマシン間での
 最適化計算のバッチファイルとシェルスクリプトの動作についてお分かりいただけたもの
 と思います。
                                     (S.T.)
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└■ CAEセミナー・イベント情報----------------------------------------------------

 当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
 たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
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  「BlowView」/「FormView」紹介セミナー  (11/28・12/19東京)
    http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (12/1 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm

□  LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/5 東京)
  ※当社のLS-DYNA/JVISION保守ユーザ様限定のセミナーです。
    http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□  非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/7 東京)
  ※当社のLS-DYNA保守ユーザ様限定のセミナーです。
    http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

□  非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー 
   「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(12/14 東京)
    http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

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  http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
  紹介セミナー&無料体験ワークショップ (12/20 東京)
    http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

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└■ エッセイ「我が家のルール」---------------------------------------------------

 お肌ケア・アイテムのシートマスク パックをご存じでしょうか?
 女性ならたぶん使ったことがある手軽な美容アイテムの1つです。
 乾燥が気になると使いたくなる便利なアイテムなのですが、我が家では残念なことに使用
 禁止です。
 その理由は、猫が騒ぐから・・・。
 シートマスク パックを使用すると猫が寄ってきて、必ずそばでニャーニャー騒ぐのです。
 狼狽しているような声音で騒ぐため、シートマスクパックの使用ができなくなりました。
 手軽な癒しの時間を持てなくなって残念ですが、悲壮な感じの声色が気の毒にも感じられ、
 とても複雑な心境です。なぜなのでしょうね・・・。
                                     K.Ishikawa
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└■ 購読者アンケート ------------------------------------------------------------

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
先日久しぶりに温泉で癒されてきました。まだそれほど寒くも無くて紅葉も美しく、だいぶ
リラックスできて満足です。冬も癒される計画を立てたいですね。
                                     E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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