ロータリー式打錠機の圧縮成形解析
1. はじめに
ロータリー式打錠機は、連続的にタブレット等の錠剤を成形する装置です。機構的には、円柱の空隙に粉末を充填し、上型を下方向に一定時間押し付けた後、上に戻します。その後、下型を上昇させ、表面に出てきた錠剤を板で系外に掻き出していきます。ロータリー式打錠機は、これらの工程を回転しながら高速で行います。医薬業界の他に製菓業界等、様々な分野で利用されています。
2. サンプル計算結果
以下に示すアニメーションは、参考として一か所の円柱に粒子を配置した場合の計算事例です。圧縮後、錠剤形状に粒子が成形され、打錠機から排出するまでの一連の動きを確認できます。なお、本事例では粒子間の凝集力を考慮するため、圧縮性の接触モデルの一つであるEdinburgh Elasto-Plastic Adhesion(EEPA) 法で計算しています。
3. まとめ
EDEMでは、各治具に対して任意の運動(回転3成分、並進3成分)を時間テーブルで定義できるため、複雑な装置の運動を再現する事ができます。また、錠剤内部の粒子の密度分布や圧力分布、治具に作用する応力分布も確認する事ができるため、成形条件の検討に活用することができます。