流れの中に存在する物体には力が働きます。この力は、流れに平行な成分である抗力と、垂直な成分である揚力に分解できます。
Simcenter FLOEFDでは、抗力および揚力を解析し、抗力係数や揚力係数を算出することが可能です。
ここでは、抗力係数を求めた事例を紹介します。
図1 のように一様流中に置かれた円柱周りの流動解析をおこないました。
解析は、レイノルズ数を変化させて複数ケースおこないました。
●解析結果
図2 に、抗力係数について、計算結果と実験結果を比較したものを示します。
図中の赤印がSimcenter FLOEFDでの計算結果、黒印が実験結果です。
実験結果は以下の文献によります。
Roland L. Panton, "Incompressible flow" Second edition. John Wiley & sons Inc.,1995
図2 を見ると、 Simcenter FLOEFDでの計算結果と実験結果の値が比較的良く一致していると考えられます。
Re=0.1、20、1e4、5e5のときの流跡線を示します。流跡線の色は速度を表しています。
Re=0.1のとき、流れは剥離せず、円柱に付着して流れます。
Re=20のとき、円柱後方に双子渦が発生します。
Re=1e4のとき、円柱後方にカルマン渦が発生します。
Re=5e5のとき、円柱後方の流れは激しく乱れたものになります。