概要
MSL(MicroStrip Line)給電の矩形パッチアンテナを解析した事例を紹介します。
パッチアンテナは、誘電体基板の表面に放射素子、裏面に地導体板を印刷した平面アンテナです。
ここで解析するパッチアンテナは、電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会の前身であるマイクロ波シミュレータ研究会において、規範問題の一つとして公開されたものです。
矩形パッチアンテナ(MSL給電)のモデル
図1は、矩形パッチアンテナ(MSL給電)のモデルです[1][2]。 基板は、大きさ112×112×0.8mm3、比誘電率3.274の直方体の誘電体で、裏面は完全導体です。
[1] 電子情報通信学会エレクトロニクスシミュレーション研究会 http://www.ieice.org/es/est/activities/canonical_problems/
[2] 坂口,並木,伊藤,"パッチアンテナ解析における計算精度についての一検討",信学技報,AP-98-51,1998
● 解析結果
このモデルをMoMソルバーで解析した結果を、実測結果[1][2]と合わせて示します。
本解析では、基板(裏面の完全導体を含む)は水平方向に無限大とし、図1に示した大きさにしています。
反射特性(振幅)
図2:反射特性の振幅
基本モードの共振周波数は、解析値7.01GHz、実測値7.01GHzで、完全に一致しています。
放射パターン
まとめ
算出したSパラメータ、共振周波数、放射パターンは、実測結果と非常によく一致していることが確認できます。