概要
ホーンアンテナの解析事例を紹介します。ホーンアンテナは、電磁波を導波管を用いて伝送するマイクロ波帯以上の比較的高い周波数帯で用いられます。放射パターンについて、シミュレーション結果を理論値と比較しています。
ホーンアンテナのモデル
図1にホーンアンテナのモデルを示します。表1にモデルの諸元を示します。 aは開口面の短辺、bは開口面の長辺の長さを示します。導波管の端をTE10波で励振します。ホーンアンテナの指向性をMoMソルバーを用いて計算します。
MoMソルバーの計算結果の比較の為、次のように指向性を見積もります。開口面における電界分布がwave guide portにおける電界分布と等価であると仮定します。仮定した開口面の電界分布から角錐ホーンアンテナの指向性を以下の式で計算します。
ここでλは励振波長、θはZ-X軸間の角度、φはZ-Y軸間の角度です。
● 解析結果
放射パターン
このモデルをMoMソルバーで解析した結果を示します。励振周波数は1.65GHzです。 図2、図3は、ホーンアンテナの放射パターンでそれぞれX-Z面、X-Y面の放射パターンを示します。 青い実線はMoMソルバーの計算結果で、赤い破線は前ページの式を用いて計算した放射パターンです。両者とも最大値で規格化しています。 ±45°以内の領域において、 X-Z面、X-Y面共にMoMソルバーの計算結果と前ページの式を用いて計算した結果は良く一致しています。
近傍の電界強度
まとめ
放射パターンについて、シミュレーション結果と理論値が良好に一致していることが確認できます。また、近傍電界のアニメーションによって、アンテナ開口から電磁波が放射されている様子を視認できます。