電波塔からの電波の受信(地方シナリオ)

電波塔からの電波の受信(地方シナリオ)

1. 概要

 地方シナリオを解析した事例を紹介します。図1に評価対象を示します。ドイツのシュヴァーベンジュラ山脈にある電波塔から送信される電波を、地図に赤線で表示された測定ルート上で評価しました。電波の周波数は482MHzです。

図1 評価対象

2. 受信アンテナ

 図2-1に計測用受信アンテナを示します。測定用受信アンテナは自動車の屋根に取り付けられ、測定ルートを走行しながら受信電力を測定しました。図2-2に解析用受信アンテナを示します。解析用受信アンテナは、自動車とその屋根に取り付けられたアンテナを一体化したモデルに対し、電磁波解析ソフトウェアAltair Fekoを用いて解析して取得した放射パターンを使用しました。

図2-1 測定用受信アンテナ

図2-2 解析用受信アンテナ

3. 解析結果

 以下に解析結果を示します。伝搬モデルはDeterministic two-ray model with knife-edge diffractionを使用しました。図3-1は電波塔付近の受信電力の解析結果です。電波塔は図の中央にあり、電波塔に近い場所の受信電力が大きいですが、それでも谷になっている場所では相対的に弱くなっていることが確認できます。図3-2は行程と受信電力の解析結果と測定結果です。解析結果と測定結果とで概ね相関が取れていることが確認できます。

図3-1 電波塔付近の受信電力

図3-2 行程と受信電力

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