JMAGでは、磁場解析と熱解析を連成させることが可能です。熱解析で得られた温度分布を磁場解析の材料物性に反映させ解析します。その磁場解析で評価される損失を熱解析の熱源として与えます。両解析を交互に実行する仕組みです。
磁場-熱連成解析の代表例は「誘導加熱」です。自動車ドライブシャフトでは、表面の耐久性向上のため、誘導加熱を利用した高周波焼き入れ処理が行われます。また、IH調理器も誘導加熱の利用例の一つで、なじみが深いと思います。
誘導加熱解析のサンプルとして、刃物を焼き入れた例を紹介します。
図1に解析モデルを示します。コイルに50 kHzの高周波電流を流し、刃物を加熱します。刃物を矢印方向に10 mm/sec の速度で並進移動させ、全体を加熱します。図2に解析結果を示します。本事例では、残念ながら、十分に高温となっておらず、急冷しても焼き入れの効果が無いです。電流条件、コイル形状などを工夫する必要があるでしょう。なお、「TERRABYTE」の文字は常に20度となるように設定しています。
● 解析結果