OpenFOAMによるインクジェットの連続着弾

OpenFOAMによるインクジェットの連続着弾

OpenFOAMによるインクジェットの連続着弾

1. モデル説明

OpenFOAMのVOF法のソルバーであるinterFoamを用いて、一定速度で移動するガラス基板上に、インクを連続して着弾させる解析をおこないました。ノズルとガラス基板の距離は10mmとし、吐出速度はタイムテーブルで指定しました(図2参照)。また、サテライトの形成状況は表面張力が重要となるため、インクと空気間の界面に表面張力係数を設定しました。

図1にモデルの概要図を示します。

 

インクの物性値

動粘性係数=1.0018e-5 m2/s

インクの吐出速度の時間変化
OpenFOAMによるインクジェット解析(液滴の着弾)

2. 解析結果

斜め上方向から見た液滴の様子を示します。

 

 

 

3. まとめ

サテライトを再現するためには、サテライトを解像できる十分なメッシュサイズが必要になります。この場合、メッシュ数が膨大になり計算時間がかかってしまいます。OpenFOAMはライセンスフリーのため、ライセンス費用を気にすることなく、大規模なVOF法の非定常解析を行えます。
また、OpenFOAMのVOF法は空気領域の流動も解くことができるため、吐出後、周辺の空気の影響を受けた液滴の挙動も計算することができます。

 

 

4. 補足(表面張力の設定)

インクジェットやはんだの流動解析など、微少スケールで表面張力が卓越する現象を解く際は、表面張力係数[N/m]を設定する必要があります。表面張力係数は、液体と気体の組み合わせによって変化します。例えば、水と空気の場合、室温で約0.073 N/mとなります。
表面張力係数は、constantフォルダ下のtransportPropertiesファイルにおいて、パラメータsigmaで定義します。

例)表面張力係数0.073を設定する場合、、、
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sigma  0.073;
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なお、弊社は表面張力の計算精度高めたソルバーも開発しております。詳しくは、以下のリンクをご確認ください。

1. 表面張力モデルの精度向上

 

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