ゴム材料の成形解析事例

ゴム材料の成形解析事例

OpenFOAMを利用した、ゴム材料の成形解析事例を示します。 ゴム材料は加硫剤の化学反応により、加硫の前後で異なる材料特性を示します。 このため、成形過程で加硫の進行を計算する必要があります。加硫速度をKamalモデルで、粘度モデルをBinghamモデルに加硫度を加えた独自モデルを構築し、OpenFOAMに組み込みました。図1に、円柱キャビティのモデル図を示します。

物性値
空気 :密度=1 [kg/m3]
    粘性係数=1.48e-5 [Pa・s]
ゴム :密度=1100 [kg/m3]
    粘性係数=Saekiモデル

加硫速度と粘度モデル

粘度モデルは実験データを元に構築しました(Saekiモデル)。また、加硫反応は、熱硬化性樹脂と同様に3次元の網目構造が構築される現象であるため、熱硬化性樹脂の反応速度式として一般的なKamalモデルを適用しました。同様に、加硫による粘度上昇はMacoskoモデルを採用しました。

●解析結果

ゴム材料が型に充填してく様子と、加硫反応の進行状況を示します。

図3. ゴムが充填していく様子

ゲートから射出されたゴムは、初めは床面に向かって直線状に進み、その後折りたたまれるようにキャビティ内を満たしていきます。

図4. 加硫反応の進行状況

青は加硫反応が進んでいない事を、赤は加硫反応が進んでいる事を示しています。キャビティ壁面に接している時間が長いほどゴム材料は暖められるため、加硫反応は促進します。

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