オープンソースの数値計算ソフトウェア「OpenFOAM」を利用して、回転するプロペラ周りの流れ解析をおこないました。
右図のように円筒の中にプロペラを配置し、プロペラの回転速度を変化させることで、キャビテーションの発生の様子を調査しました。
![](https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/wp-content/uploads/2020/02/helS7_r2_c5.jpg)
モデル図と境界条件
AMI(Arbitrary Mesh Interface)機能により、プロペラ周囲のメッシュのみを回転させています。
流入と流出境界は圧力固定で、外側の円筒壁面は速度0としています。
![](https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/wp-content/uploads/2020/02/helS7_r4_c3.jpg)
解析条件
物性値
![](https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/wp-content/uploads/2020/02/helS7_r7_c1.gif)
物理時間 : 0.5秒
乱流モデル : k-ε
重力 : なし
プロペラの回転速度
![](https://www.terrabyte.co.jp/OpenFOAM/exe-OF/wp-content/uploads/2020/02/helS7_r6_c4.gif)
プロペラの回転速度は、0秒から0.3秒まで上昇し、0.3秒から0.5秒まで628.32[rad/s]で固定するように設定しました。
解析結果
流線の動画
表示色は速度です。
キャビテーションの発生位置の動画
(液相の割合が99%以下になった領域を表示しています。)表示色は圧力
まとめ
・プロペラの回転速度が速くなるにつれて、キャビテーションの発生領域が大きくなることが確認できました。
・0.07秒付近からキャビテーションが発生していました。この時点では、プロペラの回転速度は約147[rad/s]であり、プロペラ周囲で8[m/s]程度の流速が見られました。このときのキャビテーション数は3.07です。
・0.3秒でプロペラの回転速度は628.32[rad/s]に達し、プロペラ周囲で21[m/s]程度の流速が見られました。このときのキャビテーション数は0.45です。