AnyBodyフォーラム東京2019 開催レポート

AnyBodyフォーラム東京2019 開催レポート

AnyBodyフォーラム東京2019 開催レポート

さる2019年8月1日(木)、東京・御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターにおいて、筋骨格バイオメカニクス解析ソフトAnyBodyの技術交流イベント『AnyBodyフォーラム東京2019』を開催しました。以下にその様子をレポートします。





AnyBodyフォーラム東京2019 開催レポート

 さる2019年8月1日(木)、東京・御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターにおいて、筋骨格バイオメカニクス解析ソフトAnyBodyの技術交流イベント『AnyBodyフォーラム東京2019』を開催しました。

 会場は大勢の来場者でほぼ満員となりました。イベントは日中のセミナーセッション、夕方の立食パーティー(懇親会)と続き、すべてのプログラムは予定通り進行して、つつがなく閉幕することができました。

 ご多忙中にかかわらず、猛暑の中をご来場いただいたお客様方、ご講演で貴重な情報をご提供いただいた講師の方々に厚く御礼申しあげます。

当日のプログラムはこちら (pdf)






夏の到来と同時に始まったAnyBodyイベントウィーク

 関東地方の梅雨明けは7月29日(月)に発表され、AnyBodyイベントウィークは本格的な夏の到来と同時に始まりました。AnyBodyテクノロジー社のラスムセン氏、ガリバロヴ氏は前週から東京入りし、7月30日、31日は準備ミーティングを開いて講演のリハーサルや進行、通訳の最終チェックを行いました。この間、日本の高温多湿とジェットラグに2人とも参っている様子でした。

 本イベントは定員100人のところ、参加登録者120人と当初の想定を大きく超えたため、当日のスタッフ席はすべて来場者に開放することとし、受付・開場を20分繰り上げるなど、調整は直前まで続きました。


イベント前半:特別講演、AnyBody発表2例

 会の冒頭挨拶に続き、秋田大学・巖見先生から特別講演のご講話をいただきました。講演ではフレイル(加齢老衰)予防で元気な高齢者を支援する秋田大学の再生医療とロボットリハビリテーションの取り組みと、AnyBodyなどヒト筋骨格モデルによる研究例が紹介されました。

 昼食をはさんで、AnyBody主開発者であるオールボー大学教授 兼 AnyBodyテクノロジー社CTO ラスムセン氏より講演が行われ、ランニング・アプリのプロトタイプを例に、ビッグデータがバイオメカ解析にもたらす変化と可能性について説明がなされました。この講演ではスライドごとの日本語解説とQA通訳が入りました。

 続いてAnyBodyテクノロジー社のガリバロヴ氏から、AnyBodyの新しい機能とモデルライブラリに加わった新しいモデルの解説がありました。ガリバロヴ氏は日本は初めてで、当イベントにも初登壇とあって、いきおい大量の資料を準備してきました。これを大幅カットし、スライドごとの日本語解説もカットして時間を縮め、何とか30分に収めたという舞台裏エピソードがありました。





オールボー大学 ジョン・ラスムセン教授の講演内容抜粋:

 バイオメカニクス解析には人体モデルと動作モデルが必要で、この準備は困難を伴うため普及の制約になっていたが、ビッグデータの利用で大きく変わる可能性が見えてきた。身長・体重・歩幅など、計測容易な値を数点入力すれば人体モデルが自動生成され、ジャイロセンサー付き腕時計がMoCapを代替する夢のような世界の実現も近い。

 過去に測定された数千人の人体寸法とデータマイニング技術を使って、少ないデータから被験者の人体モデルを生成する技術を開発した。同様に、過去に計測された数百のランニング運動データから、被験者のランニング運動を推定する技術を開発した。講演ではランニングアプリ(試作版)が披露され、メジャー(巻尺)で測った出席者の身体寸法からランニング消費カロリーを算出するデモが行われた。



後半:ユーザ発表2例とベンダー発表1例

 コーヒーブレイクのあとはユーザ講演が2つ続きました。龍谷大学・田原先生からは、骨のFEM解析の荷重条件をAnyBodyで導出する研究成果について紹介がありました。花王・樋口様からは、床清掃動作の計測と評価に関するご講演をいただきました。最後に、ベンダー発表として、テラバイト菊地よりAnyBody技術サポートの現場で得た多くの有益なポイントを紹介しました。






2020年の開催は6月末~7月初頭

 当社は2013年にAnyBody販売代理店に就任してから、同様の技術交流イベントを毎年開催しています。回を重ねるたびに動員数は増えており、筋骨格シミュレーションへの市場興味が拡がっているのが感じられます。

 来年の『AnyBodyフォーラム東京2020』は東京オリンピックの期間を避け、6月末~7月初頭の開催となる予定です。どうぞご期待ください。








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