OpenFOAMの自由界面解析機能
※OpenFOAMはオープンソースのCFDソフトですが、市販ソフトに引けを取らない様々な機能が備わっています。その中の1つ、自由界面解析の機能(VOF法)について紹介します。
水と空気、水と油の界面に代表されるように、気相と液相、液相と液相の境界面のことを自由界面と呼びます。インクジェット、溶融はんだのぬれ上がり、樹脂成形、ダムの決壊など工業的にも自由界面を伴う事例は数多くあります。例えば、海岸に打ち寄せる波は、波の形成や水しぶきが上がって水面が分離することもあり、自由に変形する水面を捉える難しさがあります。
自由界面を解析する手法はいくつかあります。その中の一つ、OpenFOAMでも使用されているVOF(Volume of Fluid)法を紹介します。VOF法では、2種類の流体(流体1、流体2)を以下のVOF関数で表します。VOF関数はセルに含まれる流体の体積割合を表します。
VOF関数の値が1ということは、そのセルは流体1(例えば、水)で満たされていることを意味します。逆に0であれば流体2(例えば、空気)であることを意味し、0より大きく、1未満の値であれば、自由界面(水面)がそのセル内にあることを意味します。このように、VOF法は自由界面形状そのものを追跡する方法ではないため、自由界面捕獲法とも呼ばれます。
関連記事で紹介している発泡成形解析や凝固融解解析などは、今回紹介したVOF解析をベースに機能を追加したものになります。そちらもご参照ください。
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