OpenFOAMをDEXCSで利用する
DEXCSとは
DEXCSは、OpenFOAM本体と、OpenFOAMを利用する上で必要となるソフトウェアや役に立つソフトウェアのインストールを済ませたマシンイメージです。OpenFOAMを実行するためのLinux環境とメッシャーや可視化ソフトなどの周辺ツールがまとめて提供され、プリ処理~ソルバー実行~ポスト処理の一連のプロセスに必要なOpenFOAM解析環境のすべてが整います。利用されているのはオープンソースのプログラム群で、DEXCSは無料で使用できます。
OpenFOAMの利用環境には様々なものがありますが、DEXCSは環境構築が容易で、 WindowsのGUIのようなデスクトップ環境があるため、初心者にも親しみやすいと思います。とりあえず手元のPCでOpenFOAMを触ってみたいという人にお勧めします。
環境セットアップについて
ハードウェアの観点では、OpenFOAMの利用環境には以下の二種類があります。
1.Linuxマシンを利用する
Linuxマシンを利用する場合、 OpenFOAMは自分の手でインストールすることになります。バイナリをダウンロードするにせよ、ソースコードを直接コンパイルするにせよ、インストールにはLinuxを扱うための知識が必要です。
OpenFOAMはLinuxネイティブのソフトウェアで、 LinuxマシンではOpenFOAM の本来の計算性能が発揮されます。高性能な計算機を用意してOpenFOAMを利用する場合はこちらの環境を採用することになるでしょう。
2.Windowsマシンを利用する
Windowsマシンを利用する場合、 Windows上に何らかの方法でLinux環境を整える必要があります。たとえば以下のような選択肢があります:
・仮想マシン
・Windows Subsystem for Linux
・Docker
DEXCSを使う場合、多くは仮想マシンを選択することになります。
仮想マシン側の準備が済んでしまえば、設定のためにDEXCS側ですることはあまりなく、OpenFOAMの計算をすぐに行うことができます。この手軽さがDEXCSの利点です。
また、DEXCSのデスクトップ環境は日本語に対応していることも利点の一つです。
周辺ソフトウェア・ツール
OpenFOAMを利用する際、結果の可視化などにはParaViewやGnuplotなどの周辺ソフトウェアが必要です。Linuxマシンを利用する場合、これらのソフトウェアは自分で入手する必要がありますが、DEXCSでははじめからインストールされているのでその必要はありません。
DEXCS にインストールされている周辺ソフトウェアには次のようなものがあります:
ParaView:可視化ソフトウェア
Gnuplot:グラフ作成ソフトウェア
HelyX-OS:OpenFOAM用のGUIフロントエンド
FreeCAD:3D CAD モデラー
これらのソフトウェアがあればOpenFOAM解析作業が完結します。
※ OpenFOAM:世界中の有志によって開発されたオープンソースCFD(数値流体力学)ソフトウェア。オープンソースLinux同様、GNU General Public Licenseに準拠したフリーソフトで、ユーザはOpenFOAM財団のホームページから無料ダウンロードして使用・改変・商利用できる。ドキュメントは未整備。
関連記事/関連ページ