樹脂部品に剛体球を落とす、落下衝撃解析を紹介します。モデルに適用した材料物性を以下に示します。樹脂材料では、圧縮特性は引張特性よりも硬いことが知られています。モデルAおよびBでは、引張特性のみ考慮しています。このため、曲げ変形に伴うエネルギー吸収は引張側・圧縮側で同じです。したがって、モデル全体で衝撃を吸収することになり、破壊ひずみに達していません。一方、圧縮特性を考慮したモデルCおよびDでは、Aと比較して引張側の変形が大きくなります。このため、「1」の個所において、引張ひずみが破壊ひずみに達し、破壊が起きています。
樹脂材料構成則MAT_SAMP-1は引張・圧縮・せん断および2軸引張特性を考慮できます。樹脂部品の変形挙動を精度良く模擬することが可能です。
モデル
A:弾塑性材料 ミーゼス
B:弾塑性材料 ミーゼス ひずみ速度依存性
C:圧縮考慮弾塑性材料 MAT_SAMP-1
D:圧縮・せん断考慮弾塑性材料 MAT_SAMP-1
参考文献
竹越 邦夫, 丹羽 一邦:MAT_SAMP-1を用いた、プラスチック特性を考慮した解析とその検討, LS-DYNA&JSTAMPフォーラム2009, 3-1/10, 2009