シャルピー試験(JIS K7111-1/1eU および JIS K7111-1/1eA)の破壊挙動を解析した事例を紹介します [参考文献 1.2]。
材料はポリカーボネートです。解析では下記2ケースの破壊モデルを検討しています。
ケース(a) 通常の破壊構成則(塑性ひずみを破壊の判定値とする)
ケース(b) 増分型破壊構成則(塑性変形の履歴より、破壊を判定。Incremental formulation of failure)
[参考文献 3]
ノッチ有の、試験及び解析結果の破壊状況を表1に示します。
ノッチ有り試験片では、ケース(a)、ケース(b)いずれもヒンジ破壊試験結果を再現しています。(図1)
ノッチ有り、無しのシャルピー試験結果を図2に示します。
図3に示すように、ノッチ無し試験片の解析では、ケース(a)は破壊を示し、ケース(b)は破壊をせず試験結果を再現しています。
【図2:試験結果】
(左)ノッチ有り シャルピー試験結果(ハンマーのエネルギー: 4 J) 10本中9本ヒンジ破壊
(右)ノッチ無し シャルピー試験結果(ハンマーのエネルギー: 15 J) 全て破壊挙動なし
【図3:ノッチ無しシャルピー試験と解析結果】
【図4:ノッチ無しシャルピー試験解析】
参考文献
1. Kunio TAKEKOSHI and Kazukuni NIWA, “A study on preparation of failure parameters based on incremental formulation”,JSME 26th Computational Mechanics Division Conference CMD2013, in preparation, 2013
2. P. A. Du Bois, et al., “A comparative review of damage and failure models and a tabulated generalization”, 6th European LS-DYNA Users’ Conference Proceedings, keynote10, p75, 2007
3. 竹越 邦夫、丹羽 一邦:CAEシミュレーションにおける樹脂用材料構成則とその検証事例, シミュレーション, 29-4, 43/44, 2010