CAEメールニュース(No.30-10)
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┃CAEメールニュース(No.30-10) 2010.10.20┃
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Terrabyte Co.,Ltd.
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【1】今月のトピック
╋汎用熱流体解析ソフト「FLOW-3D」Ver.10.0 新機能紹介
【2】CAE技術情報
╋自動車開発におけるCAEのニーズとその動向
第二話[自動車開発におけるCAEの動向]
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ 汎用熱流体解析ソフト「FLOW-3D」Ver.10.0 リリース!————————–
世界最高峰の自由表面解析「FLOW-3D」Ver.10.0 2011年4月・日本リリース予定。
FLOW-3D(開発元:米国Flow Science社)は、コントロールボリュームによる有限差分法
(FDM:Finite Difference Method)に基づいて流動方程式を過渡的に解く汎用3次元熱流体
解析ソフトウェアです。
□Ver.10.0新機能の概略———————————————————
・有限要素 構造解析 モデル:流体-構造相互作用 (FSI)/凝固金属内の熱応力と変形
・表面波モデルの追加
・浅水モデル の大規模流れへの拡張
・凝固収縮ポロシティモデルの強化
・中子砂吹き込みモデル
・多孔質体乾燥モデル
・バッフルのSTL入力
・流れの可視化改良トレーサ
・SMP並列化の性能強化
以上の機能の中で追加された「構造解析機能」は流体構造連成問題を扱う機能として新
バージョンの機能向上の中で特に、特徴的なものです。本機能の概要を紹介します。
【対象アプリケーション】
●高圧金型鋳造における応力シミュレーション (鋳型付きまたは無し) 充填時およびその
後の冷却と凝固時
┗冷却時の変形(収縮または膨張)による鋳造欠陥
大温度勾配または高圧力による鋳型の膨張が鋳造中の寸法変化を引き起こす
●マイクロ-エレクトロ-メカニカル-デバイスの液体と固体間の相互作用シミュレーショ
ンの精度向上のため、固体の変形による影響を含める
┗デバイスの振動挙動およびその構造的影響
●液体と固体間の相互作用が問題解決の手がかりとなるような一般的アプリケーション
┗コンクリートダム背後のプール底でハッチとして働く鋼板がその上の水柱からの静水
圧により曲がる。
【流体構造モデル-外観】
●モデルは時間増分間の変形が線形であると仮定。
各時間増分間の応力変化は小さいので、殆どの場合この仮定は妥当。
●固体コンポーネントおよび凝固した液体領域の両方で応力および変形を計算
┗固体コンポーネントに関して:
・表面の摩擦力は周囲の流体から計算。
・内部の熱応力と変形はFLOW-3D内で既に計算した温度変化から計算。
・固体の変位は質量および運動量のソースまたはシンクにより流体にフィードバック
される。
・凝固した液体領域は以下の2点を除いて個体コンポーネントと殆ど同じ:
┗流体が完全に凝固したときだけ応力を計算する。
┗凝固と非凝固領域の界面は自由表面のように扱われる。
FLOW-3D——>ホームページhttp://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3D/flow3d.htm
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└■ CAE技術情報 「自動車開発におけるCAEのニーズとその動向」——————–
第二話[自動車開発におけるCAEの動向]
コンピュータが普及する前においても、開発期間の短縮はそれなりに進んでいた。その
時代は組織的に役割分担が細分化され、同時にコンカレントな進行を運営する方法が取ら
れた。この時代に最も進化したのは試作技術であった。スーパーコンピュータを使って
CAE結果で分析するよりも試作車を作って実験結果を分析する方が早かったのであった。
そのため、優れた技術者の理論展開と予測推理が非常に重要であり、それが外れたとき
は設計変更して試作車を作り直すサイクルが多くなっていた。それにより、チャレンジな
新設計の問題もほとんど試作車の製作過程と実験により捕らえる方法が一般的であった。
CAEを活用する新しい開発に於いては、品質管理のプロセスが物理的なものつくりのプロ
セスに似てきている。ものつくりの品質向上プロセスはQC手法が一般的に用いられる。
それが進化してマネージメントまで含めた手法がTQMといわれる。いわゆるデミングサ
イクルP(計画)・D(実行)・C(評価)・A(改善)の循環である。P・D・S・Aともいわ
れる。実際には「製造した製品評価して(C)、製作のプロセスや段取りを改良して効果
を確認し(A)、根本的な改善を計画に反映して(P)、それを造る(D)、さらに次の改良
を加えて製造した製品を評価して(C)、・・・」という改良の循環プロセスにより無駄を
減らして生産効率を高める。この品質管理手法が日本の得意技術として認められている。
C・A・P・Dという進め方だ! Cが先行する取り組みに特徴がある。
これを商品開発に当てはめると、「既存商品の特質を分析・評価して(C)、改良技術を
研究し効果を確認し(A)、改良新技術を商品に企画・開発して(P)、量産販売する(D)、
次に改良した商品の特質を分析・評価して(C)・・・・」という循環プロセスに表現で
きる。さらに、開発中の完成に至る改良サイクルに当てはめると、「実験車をつくりその
特質を評価して(C)、その改良案を考案して効果を確認し(A)、総合した改良案を商品
企画に反映して(P)、設計をやり直す(D)、改めて改良した実験車をつくりその特質を
評価して(C)、・・・・」という循環プロセスになる。この様な進め方を「分析主導型開
発」と呼んでいる。晩年デミングはCheck(C)のプロセスをStudy(S)と呼び変えている。
開発業務においてはS・A・P・Dという呼び方が良いだろう。
従来は、この中の分析・評価と効果確認が、試作であり実験であった。今は、初期サイ
クルの分析・評価と効果確認がCAEで行われる様になり、最終サイクルのみ試作と実験で行
われる開発がトレンドだ! 従来CAEは専任の技術者が推進していたが、近年「設計者CAE」
という言われ方でCAE専任技術者に依存しない推進が増加している。発案者自らが分析・
評価しながら推進する方法である。この流れはCAE運用の二極化を生み出している! 一つ
は試作や実験に代替する品質守りのCAE運用、他の一つは新たな商品魅力を産み出すための
チャレンジなCAE運用と言える。前者は高精度な結果を実車との相関で重要視する。後者は
複数の設計案の最適案を選択するために簡易性とスピードを重要視する。今後コンピュータ
の性能の向上と供に大規模な解析が容易に出来る様になるが、この二極化がさらに進むであ
ろう。
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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-
当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。
□ 「FLOW-3D Users Conference 2010 in Japan」開催
日 程:2010年10月22日(金)
会 場:東京国際フォーラム
参加費: FLOW-3D/FLOW-3D CASTユーザ様:無料、一般:\30,000
申込み:http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3D/flow3d_8.htm
□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「塑性加工技術セミナー 応用編」(10/28 東京)
「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」(11/25 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm
□ 熱硬化性樹脂流動解析ソフト「NEPTAS」紹介セミナー (11/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/NEPTAS/semi.htm
□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (11/11 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm
□ 鋳造/湯流れ凝固解析ソフト「FLOW-3D CAST」紹介セミナー (11/12 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3DCast/flow3dCast-seminar1.htm
□ 「基礎構造講座」
・「構造力学の基礎」(11/16・17 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm
□ ハイエンド自由表面解析ソフトウェア「FLOW-3D」紹介セミナー (11/18 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FLOW-3D/flow3d-seminar1.htm
□ 電磁界解析ソフト「IES 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/1 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm
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└■ エッセイ「東京スカイツリー雑感」———————————————
浅草近くに居を移して以来、いつも通う最寄り駅までの道すがら、今やどの場所からも
東京スカイツリー(以下、ツリー)の雄姿?が眺められるほど建設のピッチが早まってお
り、その完成が期待される今日この頃です。新聞報道によるとツリーにはいろいろな日本
の伝統技法が使われているとのことで、その’藍白’と呼ばれる色合いとか、底部は東京タ
ワー(以下、タワー)より狭いのに高さはその倍近くあり、土台を安定させるため断面形
状を三角形とし途中より円形に移行させるという特殊な構造となっている。その全体形状
も日本刀のような曲線の’そり’であったり、寺院建築の柱に見られる’むくり’と呼ばれる
形状等々、長く経済状況の好転が期待されるにも関わらず、その展望が開けない中で、ひ
たすら高みを目指すツリーの存在は多少なりとも心が躍る気がします。竣工は来年十二月
で、あと一年強ですが、タワーにおいてそうであったように、いつかツリーの建設を実体
験したという事がなつかしい経験となる日が来るだろうと思います。ごく最近、六本木の
高層ビルから浅草方面を眺めた際、タワーの後方にツリーが並んで見え、感激を覚えまし
たが、今や都内のいずれの場所からでも高所に立てば同様の眺望が開けます。ともあれ、
ツリーは自立式鉄塔としての電波塔の一つに過ぎませんが、我々は生活の糧を得るための
経済活動や日常的な雑事に追われ、ややもすると狭小な心、寛容を欠く行動を取りがちで
す。時にはツリーでも眺めて心を癒すのも必要かなと思います。
H.Tosu
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└■ 購読者アンケート ————————————————————
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ぜひご協力ください。
http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_anq.htm
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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・
エッセイの話題に登場したスカイツリーですが、私もわりと近くに住んでいます。確かにそ
ろそろ圧倒される高さになってきました。個人的には見た目のデザインなどいただけないと
思っていたのですが、完成に近づくとライトアップなどされた姿は期待してしまいますね。
来年のクリスマス辺りは違った景色を眺められるでしょうか。。。
E.Ikeda
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