CAEメールニュース(No.2014-11)

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃CAEメールニュース(No.2014-11)                 2014.11.21┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
Terrabyte Co.,Ltd.
╋INDEX━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今月のトピック
╋汎用熱流体解析ソルバー「AcuSolve」紹介
【2】CAE技術情報
╋波動現象入門講座 23回目 真空中を伝播する波動(その2)
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┌┐
└■ 汎用熱流体解析ソルバー「AcuSolve」——————————————

●熱流体解析ソフトAcuSolveはHyperWorksの効率的なCFDソルバーとして機能します。
AcuSolveは、流体-構造連成 (FSI : Fluid Structure Interaction) 解析を得意とし
ます。また自由界面、攪拌解析等を可能にする多成分流れ、物体への流体力の計算と幅
広い分野への適応力を示します。

□特徴・機能———————————————————————–

【特 徴】
1 解析精度
・GLS法をベースとした安定化有限要素法で、人工粘性など精度低下をもたらす項を含ま
ず、高精度解析がおこなえます。
2 計算スピード
・カップリングソルバーにエネルギー式を追加(u,v,w,P,T)しており、FVMに比べて少な
い反復回数で収束します。また、並列計算効率に優れています。
3 ロバスト性
・解は要素品質に依存せず、高アスペクト比の要素でも安定した解析がおこなえます。

【機 能】
●自動メッシュ生成機能
┗流体計算のためのメッシュを自動でおこなう自動メッシュ生成機能を搭載しています。
●高ロバスト性
┗安定した有限要素定式化
AcuSolveは、Galerkin/Least-Squares法(GLS)の有限要素定式化に基づいています。
┗強力な反復ソルバー
独自の反復計算を用い、Navier-Stokes方程式の線形化に由来した圧力と流速の方程
式を同時に解くことによって早い収束性を持った計算をおこなう事が可能です。
●MPIによる高速計算
┗並列処理
AcuSolveは当初から並列コンピュータでの稼働を特に想定して構築され、全てのアル
ゴリズムもそのように設計されています。
●ALEによる柔軟な計算
┗ALE(ALE: Arbitrary Lagrangian-Eulerian)法を使用する事によって自由界面を有
する流体や流体と構造物の計算等、様々な計算を行う事が可能です。
●強力なプリプロセッサによる簡単な計算設定
┗CADインポート
CATIA、Creo Parametric(ProE)、Parasolid、ACIS、STEP
┗メッシュのインポート
Altair HyperMesh、ANSYS ICEM-CFD、MSC FluidConnection、CEI Harpoon、Pointwise
┗流体計算のための計算設定
煩雑な流体計算の設定はAcuSolve 用プリプロセッサーAcuConsole のDefault値でほ
とんどの計算モデルをそのまま解くことが可能です。

続き——>詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_1.htm

□解析事例———————————————————————–

・1500万要素を超える回路基板モデルの熱流体解析
http://www.terrabyte.co.jp/example/exe-acusolve/acusolve-sample1.htm
・配管内の流れ
http://www.terrabyte.co.jp/example/exe-acusolve/acusolve-sample2.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ 波動現象入門講座 23回目 真空中を伝播する波動(その2)

前回マックスウェルが、それまで人類が全く知らなかった電磁波の存在を理論的に予言
したことをお話しました。彼が世を去ってから約十年後の1887年に、ハインリッヒ・ヘル
ツによる見事な実験によって、実際に電磁波が存在することが万人の前に明らかにされま
した。今回はそのお話をしたいと思います。
ドイツのカールスルーヘ工科大学へ赴任したばかりだった、当時30歳のヘルツは、気体
中の放電を研究するために装置を組み立てました。この装置は誘導コイルと、それに接続
された、接近して並べた2つの金属球の電極からなるものでした。誘導コイルは、何らか
の方法で電磁誘導により高電圧を発生させるコイルのことで、よく知られたものには変圧
器の2次コイルがあります。この誘導コイルにより2つの電極間に大きな電位差を発生させ
ると、電極の間に放電が起こり、火花が散ります。ヘルツが放電実験をしているとき、こ
の装置(発信器と呼ぶ)から離れたところに置いてあった火花放電装置(両端に金属球の電
極を持つ導線をループ状に曲げ、電極間に狭い間隙を持つもので、以後受信器と呼ぶ)の
開口部にも放電が起こり火花が散るのを見つけ、何かが空間を伝わるのに気づきました。
彼はそれに興味を持ち、試行錯誤の末、発信器から適切な距離に金属板を置き、発信器
とこの金属板の間で受信器の位置を変化させると、一定の距離ごとに火花が強くなること
を発見しました。ある有限の区間において、波形が移動せず、波の腹と節が一定の場所に
生じ、腹のところでは振幅が一番大きく、節のところでは振幅がゼロであるような波は定
在波と呼びます。ヘルツは一定の間隔で火花放電が強くなるのは、発信器と金属板の間の
空気中に電磁波の定在波が発生しているのに違いないと確信しました。また、受信器の
ループの向きによって火花が飛んだり飛ばなかったりすることから、この波が横波である
と結論しました。さらに、発信器は電気回路として見るとLC(コイル‐コンデンサー)回路
に相当し、コイルがインダクタンスLを与え、球状電極が電気容量Cを与えます。このLC回
路に電流が流れるときの振動周波数は、f=1/{ 2π√(LC) } となり、また定在波の腹と
腹(または節と節)の間の距離は波長λに相当しますので、この波の伝播速度はv =λf で
与えられます。ヘルツはこの式で、彼の発生させた波の速度を求め、その当時知られてい
た光速と同様の結果を得ました。こうして、ヘルツはマックスウェルの予言した電磁波を、
ついにとらえることに成功し、発見した結果を論文にまとめて1888年に公表しました。
ヘルツはさらに一連の実験により、彼の発信器によって放出された電磁波が、干渉、回
折、反射、屈折、あるいは偏光という、光が持つさまざまな現象を起こすことを示しまし
た。つまり電磁波と光は同じ性質を持つことを確認し、光すなわち可視光線は、
紫(波長0.4 μm)から赤(波長0.7μm)まで、波長で決まる色によって分類される、電磁波
の一部分であることが知られました。ヘルツは自分の発見の実用的価値を認識していな
かったようです。ヘルツが電磁波の発見を公表した7年後の1895年には、イタリア人マル
コーニによって電磁波を用いた無線通信の実験が成功し、現代社会で不可欠な電波を情報
通信の手段として利用する道が開かれました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-

当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/2 東京)
※Jvision/LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (12/9 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/10 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/11 東京)
※LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (12/12 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (12/16 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ プラスチック射出成形シミュレーション「Simpoe-Mold」
紹介セミナー&体験ワークショップ (12/17 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Simpoe/Simpoe_seminar1.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(12/18 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (12/19 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (12/24 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

□ 統合プリポストプロセッサー「PreSys」 無料体験セミナー (2015/1/14 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/PreSys/PreSys_seminar.htm

□ 「基礎構造講座」-衝撃工学の基礎-(2015/1/20・21 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ エッセイ「マスク」の威力—————————————————–

この数年、ほぼ毎年なんらかの風邪の症状に見舞われてきました。
息苦しいのが嫌いで「マスク」は付けずに日常生活を送っていたのですが、昨年まだイン
フルエンザの流行が話題になっていない頃。かかりつけの病院の看護師さんから「マスク
はつけた方がいいわよ。例えば電車の中で、だれかが咳をするとそのウィルスがすぐ車輌
内に蔓延するっていう説もあるのよ。」とのアドバイス。そういえば最近は、インフルエ
ンザの流行が取りざたされると、社内でもマスクの着用が奨励されています。なので、昨
シーズンは勤務中、通勤時にマスクを着用するようにしました。そのおかげか、インフル
エンザや風邪に悩まされることもなく、冬を乗り切ることができました。
もうすぐ風邪の季節が到来するので、そろそろ「マスク」の準備をしようと思っています。

K.Ishikawa
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌┐
└■ 購読者アンケート ————————————————————

購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
ぜひご協力ください。

http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
そろそろ来年用のカレンダーを探しています。そのようなショップではカレンダーにスケ
ジュール帳、年賀状と来年グッズが盛りだくさん。まだ12月にもなっていないのですがあら
ためて今年ももう終わりか~などと思ってしまいました。。。
E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ 本情報は、予告無く変更される場合があります。最新情報に関してはテラバイトHP
からご確認ください。http://www.terrabyte.co.jp
☆ 掲載されている会社名・製品名は、各社の登録商標または商標です。
☆ 掲載記事の無断転載を禁じます。文中の商標等は各社に属します。
☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
☆ 発行者Webサイト: http://www.terrabyte.co.jp
☆ Copyright(c) Terrabyte Co.,Ltd
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━