CAEメールニュース(No.2013-10)
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┃CAEメールニュース(No.2013-10) 2013.10.24┃
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Terrabyte Co.,Ltd.
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【1】今月のトピック
╋統合CAEアプリケーションツールセット「HyperWorks」のご案内
【2】CAE技術情報
╋波動現象入門講座 10回目 水面の波について(その2)
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ 統合CAEアプリケーションツールセット「HyperWorks」—————————
●HyperWorksは、CAEソフトウェアを中心としたさまざまなアプリケーションを1つのライ
センスメカニズムで利用する事ができる「ものづくり」のためのコンピューティング環
境です。
□HyperWorksアプリケーション一覧—————————————————
HyperWorksは、トークン型ライセンス管理システムにより、様々な解析ソフトウェアを
一つのライセンス形態で利用する事ができます。線形/非線形解析、流体-構造連成、熱流
体、構造最適化など、解析用途のためのアプリケーションをトークンに応じてご利用いた
だけます。
・HyperMesh
┗有限要素解析プリポストシステム
・AcuSolve
┗汎用熱流体ソルバー
・OptiStruct
┗構造最適設計ソフトウェア
・HyperStudy
┗最適化、DOEおよびロバスト設計のスタディツール
・INSPIRE
┗設計エンジニアのための構造最適化・モデリング・静解析・固有値解析ソフトウェア
他
詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks.htm
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└■ 波動現象入門講座 10回目 水面の波について(その2)
静かな池の水面に小石を落とすと、同心円状にさざなみが広がるのが見られます。注意
深く観察すると、最初小石が落ちたときには小さいただ一重の円形の波が生じますが、時
間の経過と共に、この波がある幅の範囲に多数の同心円状の波が幾重にもなって広がって
進みます。そして、外側付近では同心円状の波のピークの間隔が狭く(すなわち波長が短
く)、内側付近では同心円状の波の間隔が少し広く(波長が長く)なっています。この観察
から、初めに生じた波には多数の異なる波長の波が同時に含まれており、また波長の短い
波は波長の長い波より速く伝播し、時間の経過と共に元の波が多くの波に分離することが
わかります。
前回まで、無限の広がりを持つ一つの正弦波が一定速度で伝播する現象を考えましたが、
上の波は空間的に狭い範囲に局在し、ある代表波長を中心としてその近傍のいろいろな波
長(したがって対応するいろいろな波数)の波を含みます。このような波を波束あるいはパ
ルス波といいます。また、その波長の異なる成分波の伝播速度は、各々の波長に依存しま
す。一般に、波の伝播速度が波長によって変わる性質は分散といいます。前回、深水波に
対して位相速度
c=√{(gλ/2π)+(2πσ/ρλ)} …(1)
を導きましたが、これは分散の一例です。
波数kに対して、位相速度c =ω/k 、波長λ=2π/k で表すと、
(1)式より
ω=k√{(g/k)+(σk/ρ)} …(2)
が得られます。
この式のように、角振動数ω が波数k の関数でω=ω(k) で与えられるとき、これを
分散関係式といい、波の重要な特性を表すことになります。
次に、波束の運動について考えます。波束にはいろいろな波長の成分波が含まれており、
それらの合成として波束の形が表されます。波長の異なる成分波はそれぞれ異なる伝播速
度で移動するので徐々に互いの位相がずれ、伝播速度に差があるため波形の幅が広がり、
波束の形が崩れていきます。このとき、波束全体としての(例えばその最大ピークの)伝播
速度は群速度と呼ばれますが、これをどのように評価すればよいでしょうか。ここでは簡
単のため、位相速度と波長(したがって波数)がわずかに異なる2つの正弦波を重ね合わせ
たものを波束と考えて群速度を求めてみます。波Iと波IIはともに右向きに進み、位相速
度は波Iが大きく、波長は波IIの方が長いと仮定します。ある時刻において波Iと波IIの最
大のピークがA点で一致しているとすると、合成した波もそこで最大値をとります。この後、
合成波の最大値がどのように起こるか考えてみます。A点に対して1波長右にある、波Iと
波IIの最大ピークをそれぞれB点、B’点とすると、波Iが波IIを相対速度Δc で追いかけ、
B点がB’点に一致して合成波の次の最大ピークを生じます。B点とB’点間の距離は波長の差
Δλであるので、追いつく時間はΔλ/Δc となります。
この時間で波Iのパターンは c1Δλ/Δc だけ右に移動します。A点はB点より波Iの1波長
λ1だけ左にあるので、結局A点はこの時間内に c1Δλ/Δc - λ1 だけ右に移動したこと
になります。したがって合成波の最大値を取る点の移動速度は
v=c1-λ1Δλ/Δc …(3)
となります。
これに
Δλ= λ2-λ1 = 2π(1/k1 - 1/k2)
Δc= c1-c2 = ω1/k1 - ω2/k2
を代入すると v=(ω2-ω1)/(k2-k1) となり、波Iと波IIの波長の差Δλ(したがって波
数の差Δk)をゼロにする極限をとると、群速度
v=dω/dk …(4)
が得られます。
詳細は省きますが、多数の成分波を含む波束の場合にも同様の結果が得られます。
(3)式から推測されるように、群速度は位相速度より小さくなります。実際、上記の波長
のがわずかに異なる2つの正弦波の場合を考えると、表面張力を無視すると(σ=0)、深水波
の位相速度は(1)式によりc=√(g/k)ですが、群速度は(2),(4)式によりv=√(g/k)/2 で
位相速度の半分になります。
すなわち、この場合波束形状の最大ピークは群速度vで伝播しますが、波束の成分波は
波束内をそれぞれの異なる位相速度cで伝播します。
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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-
当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。
□ 統合プリポストプロセッサー「PreSys」 無料体験セミナー (11/6 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/PreSys/PreSys_seminar.htm
□ 熱硬化性樹脂流動解析ソフト「NEPTAS」紹介セミナー (11/12 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/NEPTAS/semi.htm
□ プラスチック射出成形シミュレーション「Simpoe-Mold」
紹介セミナー&体験ワークショップ (11/13 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Simpoe/Simpoe_seminar1.htm
□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (11/14 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm
□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」(11/21 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm
□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (11/22 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm
□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (11/26 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm
□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/3 東京)
※Jvision/LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm
□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/4 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm
□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/6 東京)
※LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm
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└■ エッセイ「オリンピック」—————————————————–
2020年に東京でオリンピック開催が決定した。生涯に2度も地元でオリンピックが開催
されるとは思ってもみなかった。前回は1964年の開催だったが自宅近くで道路の整備が行
われていた。環状7号線だったが開通前の真新しい路面でローラースケートに興じていた。
それから半世紀も経過しており、何かと感慨深いものである。
若年層の体力は低下しており、時間、空間、仲間の3つの間が無いのが原因のようである。
塾通いはまだしも少子化による学校統合で帰宅に時間を要し自由にならないのには驚いた。
それとは逆に健康ブームの影響で高齢者は5歳ほど体力が向上しているようである。高齢
化社会に迎え老人が元気なのは結構だが、若者に覇気がないのは問題である。
オリンピックを契機に自分の健康や体力を見直し、夢を抱いて貰えれば幸いである。
A.Togano
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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
先日、今シーズンのフィギュアスケート開幕戦をテレビで観ていました。冬のオリンピック
はもう4カ月後。荒川静香が初のフィギュア女子金メダルからもう8年かと思うと、まだ先の
事と思っていた東京オリンピックも感覚的にはそれほど先ではないのでしょうか。まずは
冬のソチですが、7年後も楽しみですね。
E.Ikeda
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