CAEメールニュース(No.2016-5)

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┃CAEメールニュース(No.2016-5)                 2016.5.20┃
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                                Terrabyte Co.,Ltd.
╋INDEX━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今月のトピック
   ╋3次元ダイレクトモデラー「SpaceClaim」のご紹介
【2】CAE技術情報
   ╋「最適化」について考える 第17回 多目的最適化の基本的な解析手順~その2~
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ 3次元ダイレクトモデラー「SpaceClaim」—————————————

 ●SpaceClaim は、迅速なモデル作成力と強力な形状編集機能を持つノンヒストリー型
  3Dダイレクトモデラーです。
  
  アイデアをすばやく可視化することで、少ない時間でより多くの設計案を検討すること
  ができます。他CADの生データ読込み、形状修正・変更がおこなえるため、CAD環境の違
  う企業様と(例えば得意先や協力企業間で)SpaceClaimのみでスムースに連携できます。
  SpaceClaimの操作習得には、長期間の専門トレーニングを必要としません。誰にでもす
  ぐ操作方法を習得できるため、CAD導入が遅れていたプロセス等にも幅広くご活用いた
  だけます。

□特 徴————————————————————————–

 1 Simple & Easy!!
  ・SpaceClaimは、わずか4つのツールのみで3Dモデルの作成が可能です。
   直観的な操作を可能にした4つのツールは、特別な操作トレーニングを不要とし、手
   書き感覚での3Dモデリングを実現しました。
 2 2D-3Dのシームレスな連携モデリング
   ~2次元(断面)の検討から3次元での構想設計へ~
  ・2D図面から3Dモデルを作成することが可能です。
  ・お客様から頂いた2D図面(三面図)をプロファイル形状とし、3D化が可能です。
  ・2D要素間の微小ギャップは自動検出、修正され、高品質な3Dモデルが作成可能です。
 3 Interoperability ~CADニュートラルなモデラーとしての活用~
  ・SpaceClaimは主要CADの生データを直接読み込み、修正変更することが可能です。
   既存CADデータを最大限再利用し、効率的な設計業務が可能です。

□機 能————————————————————————–

 <SpaceClaim2016新機能>
 ●リバースエンジニアリング機能
  ┗スキンサーフェスツールにより、複雑なサーフェスを容易に生成します。
 ●3Dプリンティング機能
  ┗シュリンクラップツールにより、3Dプリンティング用のモデルへ素早くクリーンナッ
   プします。3Dプリンティングの前処理に最適です。

 <従来機能>
 ●解析用モデルへのデータ修正・簡略化機能
  ┗ボリューム抽出機能、中立面作成機能、インプリント機能、他
 ●スケッチ
  ┗2手法による、モデルスケッチが可能です。
   a) 正確な寸法値を入れながらのスケッチ
 b) ラフレイアウトを作成してから変更する方法でのスケッチ
 ●寸法定義
  ┗フィーチャー系CADの寸法拘束とは異なり、寸法に制約は無く、スケッチ線から
   ソリッド面まで、デザイン中のあらゆる要素に寸法付けが可能です。
 ●3Dマークアップ機能
  ┗形状変更部分の色分け表示や、変更前と変更後の寸法値の併記、アノテーションやコ
   メントの追加が可能なため、設計変更内容を明確にコミュニケーションできます。
 ●断面モード
  ┗任意箇所の断面形状を表示します。断面表示中に、任意箇所の寸法表示も可能なため、
   製品内部の部品間距離の確認などが行えます。
 ●2D図面作成機能
  ┗3Dモデルとリアルタイムで自動更新します。
 ●板金機能
  ┗板金部品を直感的にモデリングする機能で、自動ベンドリリーフ、展開、
   K-ファクター、3次元形状の同時データ編集機能などを含みます。

 詳細はホームページからご確認ください。
 http://www.terrabyte.co.jp/Spaceclaim/SpaceClaim_1.htm

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└■ 「最適化」について考える 第17回 多目的最適化の基本的な解析手順~その2~

  多目的最適化問題に進化アルゴリズムを適用する試みも多く行われています。多目的最
 適化問題は、多数の最適解を求めることが基本的な目的となるので、一度に多くの解が得
 られる進化アルゴリズムは多目的最適化問題に向いている方法といえます。
 今回は進化アルゴリズムを用いて多数の最適解、すなわちパレート解を求める方法につい
 てご紹介します。その中でとくに知られているのは、遺伝的アルゴリズム(GA)を応用し
 た手法です。GAについてはご存知の方も多いと思いますが、ごく簡単にいうと、設計変数
 を遺伝子に置き換えて、生物の進化を模倣し、遺伝子の交叉や突然変異といった操作に
 よって最適解を求める手法です。適応度(目的関数値)は遺伝子から直接計算されます。
 そのようなGAの手順として、まず親世代からの個体の選択が必要になります。
 多目的GA(MOGA)では、この選択方法にパレート解のランク付けを用います。これにもい
 くつかの手法が提案されていますが、ここではNSGAとNSGA-IIをとりあげます。
 まずNSGA(Non-dominated Sorting Genetic Algorithm)は、解の集合をフロント層ごと
 に順位づけします。フロント層というのは簡単にいうと、現在得られている世代が形成す
 るパレートフロントにいちばん近いほう(適応度が最も高い解)からフロント1、
 フロント2, …というようにランク付けしたものです。すると複数のサブ集団ができます。
 次にフロント1のサブ集団が最も高い確率となり、下位のフロントに行くにしたがってだ
 んだん確率が低くなるように、選択確率を設定します。こうすることで、適応度の低いも
 の(最適解が最小値であれば目的関数値の大きいもの)も少しは選択されるようにして多
 様性を確保します。こうして必要な数の個体を選択し終えた時点で、通常の単一目的GAと
 同様に、遺伝子の交叉や突然変異といった操作が行われ、次の世代が求められます。
 NSGA-IIはNSGAの改良版で、親集団と子集団をミックスし、その全体の集合をランク付け
 して、フロント1, 2, 3, …と分類します。次に次世代を生成するための個体を選択する
 のですが、ここでNSGA-IIではエリート主義により、既に存在する、適応度の高い解の集
 団、すなわち上位ランクのフロントに属する個体を優先的に選択します。すると、上位か
 らn番目のフロントに属する個体のいくつかを選択した時点で次世代の生成に必要な個体
 数に達するので、そこで選択をストップします。n番目のフロントから選択する個体は、
 混雑度(隣との距離)を考慮し、なるべく似ていないものを選択するようにします。こう
 して選ばれた集団から次世代を生成するのには、やはり交叉と突然変異が用いられますが、
 それとともに混雑度トーナメントという、MOGA特有の手法も用いられます。すなわちラン
 ダムに選んだ個体iとjに対し、適応度(目的関数値)の比較に加えて、どちらが上位のラ
 ンクに属するかも比較の対象となります。こうして、より適した個体が次世代の生成に用
 いられます。そして何世代かのちには最終的なパレート最適解に収束します。ただし、こ
 うして得られた最適解の中から最終的にどれを選択するかについては、MOGAは何の考慮も
 していません。それは意思決定者の選好基準(何らかの価値判断で多数の最適解候補から
 ひとつを選ぶ基準)にゆだねられています。
                                     (S.T.)
【参考文献】
 [1] 清水良明著、最適化工学のすすめ─賢い決め方のワークベンチ─、コロナ社、2010

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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-

 当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
 たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
 みください。

□ 第27回 設計・製造ソリューション展 出展
  会期:6月22日(水)~24日(金)
  会場:東京ビックサイト
  テラバイト出展ブース:東2ホール No17-30
  ※招待券ご希望の方は、当社WEBサイトよりお申込みください
  http://www.terrabyte.co.jp/16_DMS/

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
   「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」(5/26 東京)
   「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(6/16 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm

□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (5/27・6/17 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (6/1 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
  紹介セミナー&無料体験ワークショップ (6/2 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (6/3 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (6/7 東京)
  ※当社のLS-DYNA/JVISION保守ユーザ様限定のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (6/9 東京)
  ※当社のLS-DYNA保守ユーザ様限定のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm

□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (6/10 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
  「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (6/28 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm

□ 統合プリポストプロセッサー「PreSys」 無料体験セミナー (7/6 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/PreSys/PreSys_seminar.htm

□ 「基礎構造講座」-衝撃工学の基礎-(7/12・13 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm

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└■ エッセイ———————————————————————
 5月に入り過ごしやすい日々が続いてますが、先日 熱海からフェリーで30分程度の初島
 に観光に行ってみました。
 特に目的は無かったのですが、地元の人に勧められて行ってみました。初島は、初めて
 だったのですが、ダイビングをする方や釣りなど多くの方で賑わっており、ちょっとした
 リゾート気分を味わえる感じでした。食事するお店も限られており、並んでいないお店に
 入りイカ丼を食べたのですが、食後に隣のお店にいくとなめろう丼があり、少し後悔しま
 した。
 次回行く時は、なめろう丼に再挑戦しようかと思います。
 たまには、気分転換にぶらりと行った事の無い場所に行くのも良いものですね。

                                      M.Hasegawa
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└■ 購読者アンケート ————————————————————

  購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
  ぜひご協力ください。
   
  http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
最近使用している蒟蒻石鹸がかなり気に入ってます。蒟蒻といえば、子供ものころ親戚の家
でごちそうになった手作り蒟蒻がとても美味しかった事を思い出したので、手軽にできそう
な素でも購入して作ってみようかと思います。
                                     E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
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