CAEメールニュース(No.2015-11)
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┃CAEメールニュース(No.2015-11) 2015.11.20┃
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Terrabyte Co.,Ltd.
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【1】今月のトピック
╋プレス成形シミュレーション「JSTAMP」のご紹介
【2】CAE技術情報
╋「最適化」について考える 第11回 ロバスト最適解は本当にロバストか?(前篇)
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ プレス成形シミュレーション「JSTAMP」—————————————-
●設計者向けのプレス成形シミュレーションツール 「JSTAMP/NV」
JSTAMP/NVは、設計者向けのプレス成形シミュレーションツールです。
わかりやすく操作性の高いインターフェースと高精度な解析機能を実装し、高度なプレ
ス成形解析を設計者の手でおこなっていただくことが可能です。
●逆解析プレス成形シミュレーションツール 「JSTAMP/LT」
JSTAMP/LTは、製品形状からブランク展開をおこなうことができるプレス成形専用のシ
ミュレーションツールです。
※JSTAMP/NVには、JSTAMP/LTの機能が含まれております。
□「JSTAMP/NV」——————————————————————-
JSTAMPは、実工程の流れに則したわかりやすい日本語インターフェースを備え、解析未経
験者でも、容易にお使いいただけるソフトウェアです。
【特 徴】
1 わかりやすく扱いやすいインターフェース
・日本語インターフェースによる整理された画面構成。
・プレス工程専用のプロジェクト管理パネルをテンプレートにて準備しております。
・多岐にわたるプレス工程や成形条件に対応しております。
2 充実したプリプロセッサ
・メッシュジェネレータ。オートメッシュの作成機能を実装しております。
・プレス成形専用の各種設定画面を実装し、各種条件設定をプルダウンメニューでの選
択や数値の直接入力にて設定する事が可能です。
・材料データベース。約360種類の鋼板やアルミの材料データベースをご利用いただけ
ます。
3 充実した結果評価
・直観的なアイコン。解析結果専用の評価機能アイコンを採用し、われ、しわ、スプリ
ングバックなど、評価したい内容に対する直接的な結果表示が可能です。
・マルチウィンドウによる結果評価の表示。複数の評価画面を同時に表示させたり、ア
ニメーションを連動させる事ができます。
【機 能】
●評価アイコンを用いたプレス専用の各種評価機能
┗専用の評価アイコンによって、プレス成形の観点から直接的に結果をご確認いただく
事が可能です。
●ブランクライン展開機能
┗製品形状からブランク形状を予測可能です。
●トリムライン展開機能 ※オプション
┗製品形状とダイフェース形状から、トリムラインの予測をおこないます。
●スプリングバックを含めた形状評価機能 ※オプション
┗製品データ(CAD)と解析結果(FEM)の比較によって、解析結果と設計値との比較を
おこなう事で、プレスの妥当性を確認する事が可能です。
●スプリングバック見込み機能 ※オプション
┗スプリングバックを見込んだ金型形状(CAD)の作成が可能です。
●ホットフォーミング解析機能
┗ブランクの加熱からフォーミング、クエンチング、空冷までの解析が可能です。
●金型たわみ機能 ※オプション
┗従来、剛体として解析している金型について、たわみを考慮することが可能です。
●ソリッドブランク解析機能 ※オプション
┗従来、シェル要素で解析しているブランクについて、ソリッド要素を使用することに
より、しごきなど板厚方向の収縮を考慮することが可能です。
●吉田・上森モデル ※一部オプション
┗高精度なスプリングバック解析を実現する、“吉田・上森材料モデル理論”をベース
にした解析モジュールをご利用いただけます。
続き——>詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/JSTAMP/JSTAMP_NV.htm
□「JSTAMP/LT」——————————————————————-
JSTAMP/LTは短い解析時間で製品形状からおおよそのブランク形状を得ることが可能で、
試作や複雑な解析をおこなう事なく、ブランク形状の予測や費用の見積もりなどにご利用
いただけます。
【特 徴】
1 設計初期に最適なブランク形状予測と成形性評価機能
・JSTAMP/LTの逆解析ソルバーは、以下の機能を実装しており、設計初期において形状
のあたりをつけるのに最適です。
2 高速計算・高精度
・HYSTAMPによるJSTAMP/LTの解析結果は、LS-DYNAをソルバーとするJSTAMP/NVの結果と
比較しても、遜色のないものを得る事が可能です。
【機 能】
●ブランクライン展開機能
┗製品形状からブランクラインの展開を予測する事が可能です。
●トリムライン展開機能
┗製品形状からトリムラインの展開を予測可能です。
●成形性の評価機能
┗ブランクライン展開によって予測した形状に対して、成形を実施した際の成形性評価
をおこなっていただく事が可能です。
続き——>詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/JSTAMP/JSTAMP_LT.htm
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└■ 「最適化」について考える 第11回 ロバスト最適解は本当にロバストか?(前篇)
前回まで数回にわたって線形計画法の簡単な応用例をご紹介してきましたが、どうして
も連立方程式の計算の数式ばかりになってしまい、読みにくい文章となってしまいました。
そこで今回はテーマを変えて、最近最適化研究のコミュニティでちょっと話題となってい
る問題についてご紹介しようと思います。実際の設計への最適化の応用に当たっては、外
力荷重や寸法などの公差、材料物性のばらつきなどに対して目的関数の変動が少ない、い
わゆるロバスト最適解を求めることが重要であるといわれています。ロバスト最適解の説
明でよく使われる図としては、横軸に設計変数x、縦軸に目的関数の値F(x)をとったグラ
フがあって、その中に大域的最適解のするどい下に凸のピーク(ここは確定解ということ
で、Fdとします)が突き出していて、その右側に、下に凸のゆるいピークをもつカーブが
描かれていて、このゆるいピークがロバスト最適解(ここをFrとします)である、という
説明がなされています。Fdの周りでは、設計変数xの変動Δxに対して目的関数F(x)の変動
ΔFが大きいため、この場合は最適解ではありますがロバスト最適解ではありません。
一方ゆるい下に凸のピークFrではΔxに対し、ΔFが小さいので、ここがロバスト最適解で
すよということになります。でも、本当にそのような説明が正しいのでしょうか?という
のが香川大学の荒川教授らが提起している問題です[1]。その内容はざっくりいうと次の
ようになるでしょう。ロバスト最適解の一般的な定義をもう少し詳細に検討してみます。
Δxがある閾値Mより小さい場合はΔFも小さいためFdがロバスト最適解になりますが、
ΔxがMを少しでも超えるとΔF がより小さいFrがロバスト最適解になります。一般的にFd
とFrは異なるため、Mの値がわずかに異なるだけで最適解はFdからFrに大きく変化するこ
とになるので、そのような解をロバスト最適解とよんでよいのだろうかという疑問が出て
きます。みなさんはどう思われますか?するどい下に凸のピークとゆるい下に凸のピーク
の図によるロバスト最適解の説明はわかりやすく、ロバスト最適解を求めるという目的の
ためには確定解とロバスト最適解が大きく異なったほうがドラマチックで、ロバスト最適
設計の効果が明確に説明しやすいので、このような定義が広まっているのではないかとい
うのが荒川教授らの見解のようです。確かに、そういわれてみると、xの変動に対してFの
変動が小さい解をロバスト最適解とよぶのはそれなりに納得がいきますが、閾値Mの取り
方によってFの値が大きく変化するというのはなにか釈然としないものを感じます。
文献[2]では同じような例が制約条件の変動(設定の仕方)によってもみられるという例
が紹介されています。最適化計算は目的関数と、設計変数の上下限値(側面制約条件)、
それに複数の制約条件の組み合わせで成り立っているので、そのすべての変動に対してロ
バストでなければ本当の意味でのロバスト最適設計とはいえません。そこでこの疑問に対
する回答もいくつか提案されていますので次回にご紹介したいと思います。それまでみな
さんも考えてみてください。
(S.T.)
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└■ CAEセミナー・イベント情報—————————————————-
当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
みください。
□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」(11/26 東京)
「有限要素法と樹脂材料製品の衝撃・落下解析」(12/17 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm
□ 統合CAEツール「HyperWorks」最適化セミナー (11/27・12/18 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/HyperWorks-seminar.htm
□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
紹介セミナー&無料体験ワークショップ (11/27・12/10 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm
□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/1 東京)
※Jvision/LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm
□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」 無料体験セミナー (12/2 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm
□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (12/4 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm
□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/10 東京)
※LS-DYNAユーザ様対象のセミナーです。
http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm
□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (12/11 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm
□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (12/22 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm
□ 統合プリポストプロセッサー「PreSys」 無料体験セミナー (1/13 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/PreSys/PreSys_seminar.htm
□ 「基礎構造講座」-衝撃工学の基礎-(1/26・27 東京)
http://www.terrabyte.co.jp/seminar/strcture_semi.htm
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└■ エッセイ」——————————————————————-
11月半ばを過ぎても暖かい日が続いてますね。
先日、冬シーズンの服を買いに行きましたが、当日は暖かい日でどうも寒いイメージが湧
かない中の買い物でした。そろそろ一日の最高気温が20度を切る日が来ると予報されてま
すが、どうなのでしょうか?
今年の紅葉は、見頃も無く終わったと聞いてます。
例年私は雪山を求めて年末年始から3月ぐらいまで過ごします。
今年も雪が適度にあると良いのですが・・・
M.Hasagawa
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購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
ぜひご協力ください。
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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
不安定な天気が続きちょっと憂鬱なこの頃ですが、明日からの連休は晴れてほしいものです。
そろそろ今年も1カ月ちょっとと終わりが見えてきているので、天気に限らず動かなければ
いけない事はあるんですよね。あと少し、計画を立てて過ごしましょう。
E.Ikeda
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◆中国国内におけるCAE業務案内◆
弊社では、中国国内でのCAE業務のお手伝いをいたしております。
HyperWorks、FloEFD、BLOWVIEW/FORMVIEW、DYNAFORM、Presys、ACS SASSIなどの販売
及び受託解析を行っております。中国国内に関わらず、日本国内との連携含めてお役
に立てることが御座いましたらご連絡ください。
中国国内では日本語、中国語にてサポートさせていただきます。
詳細はホームページからご確認ください。
http://www.terrabyte.co.jp/company/shanghai.htm
テラバイト(上海)ホームページ
http://www.terrabyte.cn
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