CAEメールニュース(No.2018-10)

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┃CAEメールニュース(No.2018-10)                   2018.10.22┃
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                                Terrabyte Co.,Ltd.
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【1】今月のトピック
   ╋FEKO無料ウェビナー 
                 「ハイブリッドソルバーによる電磁界解析のご紹介」 開催のご案内
   ╋テラバイト技術通信 1「樹脂解析ソフトで使用される運動方程式-2」
   ╋テラバイト技術通信 2 「HyperWorksソフト紹介[2]~AcuSolveによる音響解析~」
【2】CAE技術情報
   ╋やさしく見直すCAE技術 第5回「振動」
【3】CAEセミナー・イベント情報
【4】エッセイ
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└■ FEKO無料ウェビナー 
      「ハイブリッドソルバーによる電磁界解析のご紹介」 
 
 日  時:2018年11月21日(水) 13:30-14:00
 費  用:無 料
 主  催:株式会社テラバイト
 対 象 者:高周波電磁界解析ソフトを検討中の方
           FEKO 電磁界ソフトに興味のある方

 ●詳細・お申し込みはこちら
  http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/feko_webnar.htm?cae

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└■ テラバイト技術通信 1「樹脂解析ソフトで使用される運動方程式-2」

  一般的な流体解析ソフトでは、運動方程式としてナビエ-ストークス方程式を利用して
 いますが、射出成形に使用する樹脂の場合、成形中の粘度は、10^2~10^4Pa・sであり、
 比容積に対して高粘度となっている為、キャビティ内の流動状態では慣性力の影響などを
 省力したストークス方程式を用いています。
 また、熱可塑性樹脂の射出成形品では、成形品の面積に対して板厚は薄く、かつ板厚が変
 化が少ない事から、2次元的に考え、
 ・肉厚方向の流れ成分はなく、厚みに対して平行な流れのみを考慮
 ・流れと平行な面にのみ粘性力が働く
 とし、このような流れ場は、古典的なHele-Shaw流れの理論として、樹脂の流動解析に古
 くから利用されています。
 ストークス方程式にこの薄肉流れを適用する事で更に簡略化する事が出来、これらにより、
 キャビティ内の樹脂の運動を粘性によるせん断応力と圧力こう配との釣り合いで表す事が
 出来ます。
 運動方程式を簡略化する事で、簡単に計算を行う事が可能になりましたが、実際の流動現
 象としては、多くの仮定があり表現方法としての課題がありますが、キャビティ内の圧力
 こう配や流速分布などで多くの検証報告が成されており、基礎的な樹脂流動の計算手法と
 しては、確立されています。

 当社で実施する「樹脂流体解析セミナー」では、この薄肉流れをエクセルを利用して計算を
 行い、材料物性の違いが流動場に及ぼす影響などを確認して樹脂成形ソフトの理解を深め
 ていただけるセミナーとなっております。

 詳しくは、当社のホームページをご覧ください。
 http://www.terrabyte.co.jp/seminar/fluid_semi.htm

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└■ テラバイト技術通信 2 「HyperWorksソフト紹介[2]~AcuSolveによる音響解析~」

  ファンの騒音、自動車のピラーやドアミラーの風切り音などをはじめとした流体騒音の
 低減化は工学的に重要なテーマとなっています。
 この様な流体騒音は、空気中を伝播する波としての圧力変動(圧力変動波)により生じるた
 め、原理的には、通常の流体解析と同様、Navier-Storks方程式と連続の式を解くことで
 解析することができます。
 しかし、圧力変動波は流体の流れにより生じる圧力の中でも振幅が非常に小さく、高周波
 であるため、解析においては高い時空間解像度が必要となります。また、主音源から離れ
 た箇所への音の伝播を解析したい場合、広い計算領域が必要になるため、通常の流体解析
 ソフトでは現実的な時間で解析を行うことができません。
 熱流体解析ソフトAcuSolveでは、主音源近傍の流れ場・圧力場を使って、
 波動伝播方程式:FWH(Ffowcs-Williams Hawking)方程式を解くことで主音源から離れた箇
 所への音の伝播を解析することができます。主音源から離れた箇所での流体計算が不要と
 なるため、現実的な時間で音の伝播解析を行うことができます。
 以上のように、AcuSolveのみで流体解析から音響解析までを完結させることができます。
 AcuSolveによる音響解析にご興味がございましたらお気軽にご連絡ください。

 AcuSolve 詳細
  ―> http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_1.htm?cae

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└■ やさしく見直すCAE技術 第5回「振動」-----------------------------------------
 
  今回のやさしく見直すCAE技術は、「振動」について紹介します。
 構造物に生じる応力やひずみは目にみえませんが、携帯電話のバイブレーション機能のよ
 うに「振動」は感じることができます。
  振動には必ず「振幅」(=静止あるいは釣り合いの位置から最大の変位まで移動する距離)、
 「周期」(=1回振動するのにかかる時間)、「振動数(または周波数)」(=周期の逆数、1秒
 間に振動する回数、単位:Hz)があります。例えば声は声帯を振動させることによって発
 せられますが、その時の振動の振幅が大きい場合は大きい声、小さい場合には小さい声と
 なります。また声帯の振動数が低い場合は低い声、高い場合は高い声ということになりま
 す。
  さらに振動数について具体的な例を挙げますと、世の中で人間が聞き取ることのできる
 音(可聴域)は、20Hz?20kHzと言われていますが、年齢を重ねていくと高周波数領域は聞
 こえ辛くなると一般的には言われています。例えば蚊が耳元を飛んでいる時に聞こえる不
 快な音(いわゆるモスキート音)は高周波数の音ですが、歳をとるにつれて聞こえなくなり
 ます。
  力学的に考えた場合、最も簡単な周期的な運動は単振動であり、正弦振動あるいは調和
 運動ともよばれ、ばね(ばね定数k)につるされた「質量」mの振動を表します。この場合
 の周期Tは、T=2π(m/k)^1/2 (sec)(固有周期と呼ばれる)、このTの逆数は、固有振動数
 fと呼ばれf=1/T (Hz)で表されます。
  構造物の設計を考える際には上記の「固有振動数」は重要な要素であり、外力の振動数
 と構造が持つ「固有振動数」が一致する場合には、「共振」して振動系の応答倍率が著し
 く大きくなります(つまり振幅が著しく増大していく)。共振によるトラブルを防ぐためや、
 その振動特性を把握するために「固有値解析」を実施して、「固有振動数」及び「固有振
 動モード」等を求め把握することが重要となります。(「固有値解析」の詳細につきまし
 ては次回で触れたいと思います。) また、外部からの強制的な励振作用により生じる振動
 を「強制振動」といい、造波装置や地震時の振動などがあります。これらの振動問題には
 「周波数応答解析」や「過渡応答解析」などを実施して振動系の応答特性を把握すること
 ができます。
  このような解析は一昔前までは実物を簡略化しバネと質点で構成される「質点系モデル」
 として解析が行われてきましたが、近年ではコンピュータの処理能力向上により、シェル
 要素やソリッド要素等を用いた「三次元FEMモデル」が用いられるようになってきています。
 質点系モデルでは確認することができなかった局所的に発生する応力やひずみなどの応答
 も再現できるようになるなど、振動に関してのシミュレーション技術は今も進化し続けて
 います。

 ※2007年2月号に掲載された記事に加筆、修正を加えております。

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└■ CAEセミナー・イベント情報----------------------------------------------------

 当社では解析ソフトをより有効にご活用いただくことを目的とし、各種セミナーを開催い
 たしております。各ソフトの操作性や機能をご確認いただく場として、お気軽にお申し込
 みください。

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」技術セミナー
   「塑性加工技術セミナー 応用編」 (10/25 東京)
   「LS-DYNAの有限要素法基礎知識」 (11/22 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminar1.htm?cae

□ 筋骨格モデリングシミュレーション「AnyBody」 紹介セミナー (11/9 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/AnyBody/anybody_semi.htm?cae

□ 設計者のための熱流体解析ソフト「FloEFDシリーズ」
  紹介セミナー&無料体験ワークショップ (11/9 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/FloEFD/EFD-seminar1.htm?cae

□ 汎用熱流体解析ソフトウェア「AcuSolve」 紹介セミナー (11/16 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/Hyper/AcuSolve_seminar.htm?cae

□ ブロー成形・樹脂シート熱成形プロセス解析ソフトウェア
  「BlowView」/「FormView」紹介セミナー (11/20 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/BlowView/seminar1.htm?cae

□ LS-DYNAプリポストプロセッサ「Jvision」操作セミナー (12/4 東京)
  ※当社のLS-DYNA/JVISION保守ユーザ様限定のセミナーです。
  http://www.terrabyte.co.jp/Jvision/Jvision_semi.htm?cae

□ 電磁界解析ソフト「INTEGRATED 電磁界ソフトウェア」無料体験セミナー (12/5 東京)
  http://www.terrabyte.co.jp/IES/IES-seminar1.htm?cae

□ 非線形構造解析ソフト「LS-DYNA」操作セミナー (12/6 東京)
  ※当社のLS-DYNA保守ユーザ様限定のセミナーです。
  http://www.terrabyte.co.jp/lsdyna/LS-DYNA_seminarN.htm?cae

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└■ エッセイ---------------------------------------------------------------------

 ウチの猫は「お手」ができます。この子は、我が家の2代目のお手猫です。
 1代目は、「お手」と言われると言葉に反応して「お手」ができました。2代目は、気ま
 ぐれです。人の言葉に反応してお手を始めるわけではありません。
 猫が飼い主に相手をしてほしいと、招き猫のポーズでアピールします。こういう時は、
 「お手」と声をかけると言葉に対して「手」をあげ、何度かお手ができますが、自主的に
 始めた時以外は、「お手」と声をかけて、促しても手に鼻を近づけてきたりして、なかな
 か「お手」にはなりません。
 猫だからでしょうか、それとも私が「お手」をさせられているのでしょうか・・・。
 まぁ、お手の相手をするのも楽しいし、そこのところはお手が出来る猫ということでいい
 かしら・・。
                                         K.I
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└■ 購読者アンケート ------------------------------------------------------------

  購読者様へCAEメールニュースについてのアンケートをお願いしております。
  ぜひご協力ください。
   
  http://www.terrabyte.co.jp/example/mailnews/mailnews_sformmail.php

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━━━<編集後記>━━━━━━━━━━………………‥‥‥‥・・・・・・ ・ ・ ・ ・
先日無くしたと思っていたものが、偶然宅内のある場所から発見されました。出てきた場所
を考えると行方不明になって1年近く立っているはず...いつから無いのかも分かっていな
かったので、びっくりでした。まあ、使ったあとは元の場所に戻しましょうという事ですね。
                                     E.Ikeda
・ ・ ・ ・ ・・・・・・‥‥‥‥………………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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☆ 発行:(株)テラバイト 東京都文京区湯島3-10-7 NOVビル5F 編集担当:池田 絵美
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