romAI
romAI(Reduced-Order Model AI)は、複雑な物理システムの挙動を効率的にシミュレーションするために、AIを活用した低次元モデル(Reduced-Order Models, ROMs)を生成する技術です。従来の高精度モデルに比べて計算コストを大幅に削減しつつ、同等の精度を保つことができるため、開発のスピードアップとコスト削減が期待できます。
■ romAIの特徴
romAIは、AIモデルに時間微分、積分の概念を取り入れた独自のモデルにより動的な現象を再現します。従来のRNNに代表される時系列予測モデルの場合、動的システムのインプットとアウトプットの関係を学習していました。RNNの欠点として、一般的に多くの学習データが必要な点が挙げられます。また、予測結果について、学習データの範囲外(外挿が必要な場合)は予測精度に課題がありました。一方、romAIは動的システムの微分方程式の形を予測しますので、RNNに比べ少ない学習データで高い予測精度を実現しています。また、romAIはAltair Twin Activateで利用可能ですが、FMIをサポートする様々なプラットホームで利用可能です。
■ romAIの適用分野
romAIは、航空宇宙、自動車、ロボット、土木、エネルギーなどの様々な分野で活用可能であり、各分野における特有の課題に対応するためにカスタマイズ可能です。近年、製品開発の効率化を目指して、モデルベース開発(MBD)の考え方が各分野に浸透しています。romAIの最大の特徴は、動的システムの微分方程式の形を製AI技術で予測することで、高速かつ高精度に解くことです。MBDでは様々なコンポーネントを組み合わせてモデルを構築します。計算コストの大きいコンポーネントをromAIに置き換えることで、シミュレーションの試行回数を増やすことが可能です。