概要
WinPropは、電波伝搬解析と無線ネットワークプランニングのための統合シミュレータです。様々なシナリオ (対象となる電波伝搬環境)が用意されており、異なるシナリオを組み合わせたハイブリッド解析も可能です。電波伝搬は、経験的または決定論的なモデルの中から選択して解析でき、送受信アンテナの放射特性も考慮できます。各種エアインターフェースもあらかじめ装備されていて、効率的な無線ネットワークプランニングを実現します。
機能
シナリオ
WinPropは、屋内、屋内&都市、地方、都市、トンネル、時間変動などの電波伝搬環境をカバーします。
電波伝搬モデル
WinPropの電波伝搬エンジンは、シナリオに応じた様々な経験的または決定論的なモデルを装備しています。 独自の Dominant Pathモデルは、伝搬経路の中から特徴的な経路を抽出することで、 高速かつ高精度な解析を実現します。
シナリオ |
屋 内 |
都 市 |
地 方 |
モデル |
One Slope Motley-Keenan COST-Multi-Wall Indoor Dominant Path Standard Ray Tracing Intelligent Ray Tracing |
COST 231 (Walfisch-Ikegami) Urban Dominant Path Intelligent Ray Tracing Indoor Penetration |
Hata-Okumura Two Ray ITU P.1546 Deterministic Two Ray Longley-Rice Parabolic Equation Knife Edge Diffraction Rural Dominant Path Rural Ray Tracing |
データベース
電波伝搬の解析には、地形、建物、壁などの情報からなるデータベースを用意する必要があります。 WinPropは、このようなデータベースを作成し編集する機能を装備しています。
また、下記の地理情報データやCADデータをインポートすることが可能です。
シナリオ |
屋 内 |
都 市 |
地 方 |
データタイプ |
ベクトル |
ベクトル、ピクセル |
ピクセル |
インポート対応 フォーマット |
AutoCAD (.dwg .dxf) Stereolithography (.stl) Nastran (.nas) Wavefront (.obj) |
AutoCAD (.dwg .dxf) Mapinfo (.mif .mid .tab) Arcview shapefile (.shp) Open Street Map (.osm) Aircom Asset / NSN NetAct MSI Planet Building Data |
USGS DEM USGS BIL Digital Terrain Elevation Data GeoTIFF |
アンテナ放射パターンの取り込み
アンテナの放射パターンをインポートすることにより、その放射特性を考慮した電波伝搬解析が可能です。
測定や計算で取得した2次元放射パターン(テキストまたはグラフ)を取り込み、補間アルゴリズムによって3次元化します。
電磁波解析ソフトウェアAltair FekoTM が算出した3次元放射パターンであれば直接インポートすることができ、効率的で高精度な電波伝搬解析が可能です。
エアインターフェース
WinPropは、CDMA、FDMA、OFDMA、TDMA、UWB 、WiFi、Broadcasting の各エアインターフェースを標準で装備しています。
また、パラメータを調整して、任意のエアインターフェースをサポートすることもできます。
これらにより、無線ネットワークのパフォーマンスを効率的に高精度で分析することが可能です。
カバレッジ
WinPropは、様々な伝送モード[1]を定義でき、各伝送モードについてカバレッジマップ[2]を個別に計算します。その際、適応変調が考慮され、結果は、電波伝搬モデルチャンネル品質に依存します。
カバレッジエリア内の各地点について、最大受信強度と理論上の最大データレートを正確に予測できます。
[1] 帯域幅、 MCS、データレート、SNIR目標値、信号のしきい値、送信電波強度など
[2] セルの割り当て、ベストサーバー、アクティブセット、回線品質、ダウンリンクとアップリンクの受信電波強度、 SNIRなどで予測された
キャパシティ
WinPropでは、カバレッジ解析とトラフィック定義に基づき、ネットワーク内の各無線リンクとセルの キャパシティ[3]を計算できます。
キャパシティ限界と過負荷セルを簡単に検出でき、高いキャパシティとスループットを両立するためのネットワーク最適化が できます。
洗練された決定論的な電波伝搬モデルを用いることで、 MIMO やビームフォーミングによるキャパシティの改善を 正確にモデル化できます。
任意のアンテナ構成(線状、円形など)を選択でき、ネットワークプランニングでは、アンテナ構成が無線チャネルに 与える影響が考慮されます。
[3] スループット、最大データレート、パケット遅延、 QoSなど
稼動環境
HyperWorks 対応プラットフォーム (pdf)
HyperWorks 推奨ハードウェア (pdf)
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