「第29回日本基礎理学療法学会学術大会」 において、筋骨格モデリング&人体機構シミュレーション ソフト 「AnyBody」 の機器展示と、以下の発表をおこないます。
会 期 : 2024年10月12日(土)・13日(日)
会 場 : 東京都立大学 南大沢キャンパス(八王子)
主 催 : 一般社団法人 日本基礎理学療法学会
公 式 H P : https://smartconf.jp/content/29jptf/
【展示ソフト】
筋骨格モデリング&人体機構シミュレーション
ソフト
「AnyBody」
【テラバイト発表】 10月12日(土)
「反力推定機能を利用した筋骨格モデル解析の結果に基づく筋シナジー同定の試み」
[目的]
本研究では、動作データだけから床反力を推定できる反力推定機能を利用した 筋骨格モデル解析の結果から筋シナジーを同定し、その妥当性について考察す ることを目的とした。
[方法]
身長1. 75 m、体重66 kgの被験者より取得した歩行データを使用して AnyBody modeling system による筋骨格モデル解析を行い、動作中の筋活動量を取得した。なお、筋骨格モデル解析は、計測床反力を 使用した条件(計測条件)、推定床反力を使用した条件(推定条件)、の2つの条件で実施した。 筋シナジー解析は非負値行列因子分解により実施し、VAFが90%を超えた最小の筋シナジー数を採択した。 計測・推定の両条件で同定された筋シナジーの筋結合パターンの類似性を、コサイン類似度によって評価 した。
[結果]
同定された筋シナジーの数は計測条件で4、推定条件であった。また、計測・ 推定条件で同定された 筋シナジーの筋結合パターン間のコサイン類似度は0。81-0。99であり、高い類似性を示していた。
[考察]
反力推定機能と筋骨格モデル解析を組み合わせることにより、身体運動データだけから、ある程度の 妥当性を有する筋シナジーが同定できることが明らかとなった。
「筋骨格解析モデルを用いた側弯症アライメントの検者間再現性に関する検証」
[目的]
本研究は側弯症のX線画像所見を基に筋骨格モデルに側弯症のアライメントを再現した場合における検者間再現性を確認することを目的とした。
[方法]
検証には、筋骨格モデル解析用ソフトウェアAnyBody Modeling System v7.4.4と思春期特発性側弯症の患者に対して選択的腰椎固定術を行う前後の2枚のX線画像を使用した。
検者は、AnyBody Modeling Systemに同時描画された筋骨格モデルとX線画像を目視にて比較しながら、筋骨格モデルの各椎間関節の角度を入力することで可能な限りX線画像と同一のアライメントを再現するように指示された。
検者が再現を試みた脊柱アライメントにおける脊椎椎体角度と基準データとしてX線画像から算出された各椎体角度の比較を行い、
(1)基準データを基準とした際の絶対偏差、
(2)基準データとの相関係数、
の2つを評価指標として検者間再現性の評価を行った。
[結果]
選択的腰椎固定術前のX線画像との絶対偏差は、検者1で0 - 12°、検者2で0 - 27°、検者3で0 - 15°であった。相関係数は、検者1で0.90、検者2で0.45、検者3で0.78であった。
選択的腰椎固定術後のX線画像との絶対偏差は、検者1では0 - 5°、検者2では0 - 10°、検者3では0 - 7°になった。相関係数は、検者1で0.90、検者2で0.53、検者3で0.75であった。
[考察]
再現されたアライメントの角度には検者間で大きな差異が生じうるが、側弯の傾向を中等度以上の精度で再現できる可能性を示していると考えられる。
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